【SHOEI J・O+ インプレ】シールドはしっかり防風性アリ、クラシカルなのにモダンさも機能性も備える

【SHOEI J・O+ インプレ】シールドはしっかり防風性アリ、クラシカルなのにモダンさも機能性も備える

 一見、シックなスモールジェットながら、小型シールドを内蔵しているJ・O。様々な技術と工夫が詰まった新感覚ヘルメットだ。今回はホック付きの「J・O+」をテストしてみた。

 
文/沼尾宏明
 

内蔵シールドに軽快なデザインの帽体が魅力、質感も高い

 2016年に登場した「J・O」は、クラシカルなスタイリングに、収納式のハーフシールドを備えた珍しいタイプのジェットヘルメット。スタイルと現代的な機能性&安全性を兼備したモデルとして人気を博している。

 ハーフシールドは、バブルシールド風に湾曲し、手動で開閉可能。各部のディティールも凝っており、雰囲気がある。

 今回取り上げる「J・O+」は2024年6月に登場した派生モデルで、J・Oの帽体前部に3か所のホックを追加。新たなオプションパーツの「V-480バイザー」を装着できるようになり、フチゴムにステッチも採用している。

 ちなみに「J・O」のネーミングは「ENJOY」のJOが由来だ。

 

J・O+(ジェイオープラス SHOEI)。オーソドックスなデザインの帽体に小型シールドを内蔵する。帽体は、強靱なガラス繊維に3次元形状の有機繊維を複合積層したFRP製の「AIM」構造。軽さとコンパクトさを追求している。写真はLサイズで、色名はパールブラック。

 

  ●価格:4万7300円(2025年1月8日より4万8400 円に変更)
  ●サイズ:S、M、L、XL、XXL
  ●規格:JIS
  ●メーカーサイト:
https://www.shoei.com/products/helmet/jet/jo-plus/

 

額のホックに別売の「V-480バイザー」(4400円)を装着すればクロスオーバースタイルも楽しめる。

 

 

シールドを上げた状態。シールドのノブが一部露出しているが、古典的なスモールジェットにしか見えない。ビンテージバイクはもちろん、ネオクラシックやモダン系にも似合う。

 

 

帽体はコンパクト。シールドはクリアが標準で、サングラスやメガネをしていても干渉しない。各部位の厚さや微妙な曲率を追求し、自然な視界を実現している。

 

 

帽体下部から後端に向けてシェイプされたラインを描き、軽快なイメージ。一般的なジェットと異なる個性を演出している。アゴ紐はDリングでの締結だ。

 

 

後端部が盛り上がったダックテールシェイプもJ・Oシリーズならではのデザイン。ゴーグル装着用のバンドも備える。

 

シールドは湾曲し、左右に開閉用のタブを備える。シールドは左右のプリセットレバー位置を変えることで3段階の高さ調整が可能。

 

細部まで質感が高い。ホックはシブい真鍮色仕上げ。J・O+ではフチゴムに白いステッチをあしらい、スエード調内装カバーの色をベージュとした。SHOEIロゴは、スポーツモデルとは異なるクラシックタイプだ。

 

一部のリベットはゴールド色仕上げ。チークパッド装着部には、隙間をカバーするレザー調素材のパーツを配置する。クラシカルな雰囲気を醸しながら、風の巻き込みを防ぐ設計だ。

 

ゴーグルバンドやアゴ紐カバーはレザー調。スナップボタンのSHOEIロゴは筆記体でいかにもクラシカルだ。

 

シールドは両サイドのレバーを下げて、シールドレールのツメを持ち上げれば取り外せる。

 

無印の「J・O」も発売中。額のホックが非装備で、フチゴムにステッチがない。フロント内装カバーなどの色も異なる。4万1800円~(2025年1月8日から4万2900円~)。

 

 
 
 

実物はさらに高級感あり、包み込む被り心地もポイント

 実物はとても高級感がある。J・Oにもあったリベットやスエード調の内装カバーに加え、J・O+ではフチゴムに新設されたステッチが利いている。そして、お借りしたパールブラックは、よく見ると帽体にラメがキラキラ。光を受けて七色に変化し、質感が高い。

 被ってみると、こめかみと頬のホールド感がわずかにシッカリしているが、他はソフトでリラックスした印象だ(筆者は普段SHOEIではL、アライはXLを着用)。

 スモールジェットだけに軽く、重量は実測で1132g(Lサイズ)。アウターシールドのない一般的なオープンフェイスより若干重い程度だ。

 内蔵シールドを格納して走ると、ごく普通のジェットと使用感は変わらない。ベンチレーション機能もないが、柔らかく包み込むような被り心地と軽さは魅力だ。

 帽体側の耳元に薄い窪みはあるものの、かなり薄いスピーカーでないと装着は難しい。手持ちの厚み15mmのスピーカーだと耳に当たって痛くなってしまった。

公式にメガネスリットの記載はないが、頬パッドと上部内装の間にツルが収まり、スムーズに着脱可能。圧迫感もない。

 

内装はアゴ紐カバーを含めてフル着脱式。ソフトな肌触りの起毛タイプの生地を採用する。ステッカーも一枚付属する。

 

シールドは視界良好、最も下げた状態で前傾すると効果的

 シールドは手動式でタブ(つまみ)を持って開閉するシンプルなもの。タブはシールドの左右にあり、両側から軽い力でオンオフできる。

 シールドは巻き込み風を抑えるために湾曲した形状。こうしたバブルシールドは視界が歪みがちだが、本作では自然でクリアに見えるのがいい。また、額の内装カバーにあるホックボタンをツヤ消しにして反射を抑えているのも芸が細かい。

 シールドは、街乗りレベルならライポジを問わず走行風をかなり抑えてくれた。ただし80km/h程度で下から巻き込み風が侵入してくる。

 シールド位置は上下3段階に調節できるため、最も上げた状態と下げた状態で試してみたところ、やはり最も深く下げた状態の方が確実に風を防ぐ。また前傾すると、風をより一層ガードでき、防風効果を体感できるはずだ。

 個人的にはシールドを浅く下げた方がカッコイイけど、高速道路などでは最大まで下げたいと思う。なおシールドを最も下げても、手持ちのメガネやサングラスに干渉することはなかった。

シールドを最も上げた状態。この状態で上体が直立したライポジだと、シールドのないジェットに近い感覚だった。

 

シールドを最も下げた状態。移動範囲は1cm程度だが、防風効果がアップする。速度域が高い場合はコッチがおすすめ。

 

 なお、シールドはクリアが標準だが、他のカラーもオプションで用意されている。ダークスモークとクラシックなイエローは6600円(2025年3月3日から7150円に変更)。ミラータイプはスモークとソフトスモークが1万2100円(2025年3月3日から1万3200円に変更)。明るい場所ではスモークに変化するフォトクロミックタイプは2万4200円(2025年3月3日から2万5300円に変更)。自分が購入したらぜひカスタムしたい。

[まとめ] 独自のデザインと機能性に価値を見い出せる人に勧めたい

 質感が高く、使い勝手も優秀なJ・O+。ジャンルを問わず、レトロ系の臭いがするバイクなら何でもよく似合うはずだ。やや気になるのは5万円に近い価格。一般的にスモールジェットは安価で、高価格帯でもアライ・クラシックエアー(換気機能あり)が4万5100円~、同じくアライのクラシックモッドが3万7400円~というプライスだ。

 とはいえ、J・O+はクラシカルなのに内蔵シールドなどの現代的デザインを融合した貴重なモデル。スモールジェットとしては抜群に快適性が高い点も見逃せない。この辺りに価値を見出せるライダーにぜひオススメしたい一品だ。ちなみにバイザーを装着する予定がなく、よりシンプルなモデルが欲しいなら、5500円安価なJ・Oがあるので、選択肢に入れてみて欲しい。

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/parts-gears/429502/

【SHOEI J・O+ インプレ】シールドはしっかり防風性アリ、クラシカルなのにモダンさも機能性も備える【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=429502&slide=1

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