モンスター900をレトロスタイルのロードスターに仕上げる!【YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024】

モンスター900をレトロスタイルのロードスターに仕上げる!【YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024】

 昨年12月1日に開催された「YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024」。アメリカンスタイルのカスタムアイテムを販売する日本有数のブランド・MOON EYES JAPANが主催する、世界的なホットロッドカスタムの祭典だ。

 ところが出展されるマシンたちは、けしてホットロッドスタイルのみにとらわれるものではない。長野県「46works」中嶋志郎氏の手によるドゥカティ「モンスター900」もそのうちの一つだった。

 
文/西田 宗一郎
 

ドゥカティを代表するスポーツネイキッドが70年代スタイルに生まれ変わった

 Monster 900(モンスター900)は1993年に登場したネイキッドモデルで、フルカウルスポーツのイメージが強かったドゥカティのキャラクターを覆した、ストリートスタイルが話題を呼んだモデルだ。丸目、空冷Lツインという古典的なスタイルは踏襲しつつ、SS譲りのトラスフレームや前傾の強いポジション、倒立フォークなどスポーツモデルそのものといっていい装備を備え、ドゥカティのスポーツイメージを裏切らない名機となっていた。

 そんなモンスター900をベースに、長野県は八ヶ岳山麓をベースとする「46works」中島氏が「走って楽しく見て嬉しい」をコンセプトにカスタムされたのが今回紹介するマシン。904cc空冷Lツインエンジンはそのまま、スタイリングは在りし日の「750S」を思わせる70’sの雰囲気を纏うシルエットに仕上げられた。

 

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MONSTER 900(1994)46worksによって出品されたカスタムマシンだが、スタンダードの面影は残しつつ、全面的にワンオフメイドされた一品だ。

 

 

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走って楽しいマシンを目指しつつ、レトロなスポーツネイキッドスタイルが実現された。

 

 

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シンプルなシルエットは70年代のドゥカティ750Sを思わせる。

 

 

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MONSTER900はドゥカティから1992年に発売されたスポーツネイキッド。2003年に1000ccへ進化するまで10年以上親しまれたヒットモデルとなった。(Instagram:46works)

 

 
 
 

アルミ叩き出しの外装、前半部をワンオフしたフレームで機能美を極める

 46worksで制作されるカスタムマシンには一貫した哲学がある。それは、走行性能の向上に無関係な装飾は一切装着されていないことだ。モンスター900の場合も例外ではなく、機能美と工夫に満ちたパーツ類でベースマシンは大きく見直された。

 前傾したモダンなモンスター900のスタイルは、アルミ叩き出しで制作されたタンク、フェンダー類で直線基調で構成。パテ類は一切使用されていないという。ベースモデルに特徴的なトラスフレームは一見そのままに見えるが、車体前半部についてはワンオフで新造され、ネック位置やキャスター角が変更されている。これに伴ってホイールサイズは18インチへ変更され、さらに現代定番のラジアルタイヤを装着した。

 この工夫はシルエットの構成のためだけではない。中嶋氏によれば、モンスター900はスーパースポーツ由来のフレーム、エンジンにより、高剛性でレーシーなディメンションを持つが、公道では乗りづらい一面もあるという。本機のカスタムはワインディングでのライディングを楽しむために最適なバランスを狙い、このポイントを見直したものなのだ。

 

アルミの叩き出しで組み上げられたタンクやシートカウルは、クリア塗装のみの金属地肌仕上げ。

アルミの叩き出しで組み上げられたタンクやシートカウルは、クリア塗装のみの金属地肌仕上げ。

 

 

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公道で楽しめる仕上げに向け、フレーム前半部は新造。ネック位置等も見直されている。

 

 

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ホイールは前後ともに18インチとしつつ、ラジアルタイヤを装備した。

 

 

エンジンはそのまま、フレームはトラス構造を活かしつつ新造されており、公道で扱いやすい剛性感を実現。(Instagram:46works)

エンジンはそのまま、フレームはトラス構造を活かしつつ新造されており、公道で扱いやすい剛性感を実現。(Instagram:46works)

 

 
 

人間工学に基づく工夫を備えたスイッチは市販化も視野に

 ディテールを見ていくと、フレームに合わせてワンオフ制作されたチタン製等長エキゾーストパイプ、シンプルでクラシックなサイレンサーにも目が行く。このエキゾーストパイプは輪切りチタンと手曲げの組み合わせにより、美しい曲線を実現しているほか、「オイルやフィルター交換時に脱着が不要なレイアウトです」とのことで、実用性の追求には余念がない。

 

エキゾーストパイプはチタン製のワンオフだが、メンテ製を失わないレイアウトが工夫されている。

エキゾーストパイプはチタン製のワンオフだが、メンテ製を失わないレイアウトが工夫されている。

 

 

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サイレンサーはシンプルなメガホンに46worksの刻印入り。こちらも市販の可能性があるという。

 

 コクピットもシンプルに仕上げられており、インジケータ内蔵のシングルメーターはレーシーな視界を実現している。ミラーは昨年発売された、NAPOLEON(TANAX)とのコラボモデル「46mirror」を採用。さらに左スイッチボックスは極限までミニマムに設計されているが、このスイッチボックスにはある工夫があるという。

 それはウィンカースイッチが縦方向に動作すること。実際、ショーモデルに多い小型スイッチボックスは、見た目はシンプルで美しいものの、小さなトグルスイッチの操作は案外難しく、実用性は低いという。中嶋氏は小さなトグルスイッチと、実際の操作性を両立することを目指し、この新たなスイッチボックスを製作した。人間工学的にも合理性を追求し、公道での操作感をスポイルしないのだ。評判次第で市販化も視野に入っているというので、理想的なハンドル周りの実現に誰もが活用できる日は遠くないかもしれない。

 

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メーターはモトガジェット製の1眼を採用し、シンプルなコクピット。

 

 

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ミラーは昨年発売された、ナポレオンとのコラボモデルが装着されていた。スタイルを選ばないスポーティーなラウンドミラーだ。

 

 

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超小型のスイッチボックスは上下操作型のトグルを備え、実用性も失わない構造だ。

 

46worksとは

 46worksは、中嶋氏がBMWやKTMといった、ユーロメーカーのマシンをメインにカスタム製作を行っている、2014年に設立されたカスタムファクトリーだ。氏はクラシックレース等へも参戦を継続中で、製作される作品はいずれもサーキットユースからフィードバックされた、性能を重視した合理的な視点から設計。その優美なマシンは日本のみならず、世界各国から注目を集めている。当初は東京を拠点としていたが、現在は山梨県の八ヶ岳南麓のファクトリーを中心に活動中だ。

 その製作風景はYoutube、Instagram等でも定期的に発信されており、登録者は18万人超。現代を代表するカスタムファクトリーとして、今後も目が離せないだろう。

 

中嶋志郎氏は欧州モデルをメインにカスタムバイクを発表し続けている、世界的も著名なビルダーだ。(Instagram:46works)

中嶋志郎氏は欧州モデルをメインにカスタムバイクを発表し続けている、世界的も著名なビルダーだ。(Instagram:46works)

 

46works

Youtube:https://www.youtube.com/@shiroh73

Instagram:https://www.instagram.com/46works/

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/435118/

モンスター900をレトロスタイルのロードスターに仕上げる!【YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024】【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=435118&slide=1

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