スズキが電動バイク「e-ACCESS/e-ADDRESS」を発表! 混合燃料版「GIXXER SF 250」追加などカーボンニュートラルを推進

スズキが電動バイク「e-ACCESS/e-ADDRESS」を発表! 混合燃料版「GIXXER SF 250」追加などカーボンニュートラルを推進

 スズキの子会社であるスズキモーターサイクルインディア社(SMIPL)は1月17日、「モビリティのスペクトラム」というテーマの下、インドのニューデリーで開催されている「Bharat Mobility Global Expo 2025」で3台のニューモデルを発表した。

 

文/後藤秀之

 
 
 

BEVだけではないスズキのカーボンニュートラル戦略

 このイベントにおいてスズキが発表したのは、バッテリーEVの「e-ACCESS(e-アクセス)」、インドにおける販売台数No.1の全面改良モデルとなる新型「ACCESS(アクセス)」、バイオエタノール燃料対応の「GIXXER SF250(ジクサー SF 250)」という環境性能を高めたモデルである。そして、これらの3車種はスズキのインドの二輪生産販売子会社であるスズキ・モーターサイクル・インディア社で生産され、「e-ACCESS」は「e-ADRESS」として全世界に向けて販売される予定だ。

 スズキ株式会社代表取締役社長の鈴木俊宏氏は、「スズキはカーボンニュートラル社会の実現に向け、今後、様々なBEVモデルを投入してまいります。そして、BEVだけではなく、合成燃料、水素エンジン、バイオ燃料など様々な選択肢を提供し、社会とお客様の期待に応えることを目指してまいります。」と述べている。

 

「Bharat Mobility Global Expo 2025」で発表を行なう、スズキ株式会社代表取締役社長の鈴木俊宏氏。マルチパスウェイ戦略を説明した。

 

 
 
 

世界戦略車となる新型バッテリーEV「e-ACCESS」は、グローバルでは「e-ADRESS」として展開

 3台のニューモデルの中で、最も目を引くのがスズキの二輪車におけるバッテリーEV(BEV)の世界戦略車第一弾となる新型「e-ACCESS」だろう。バッテリーには信頼性と安心感のあるリン酸鉄系の3.07kWhリチウムイオンバッテリーを採用し、固定式とすることでシート下に17Lの収納を確保している。このバッテリーはポータブル充電器を使用すると6時間42分、急速充電器を使用すると 2時間12分で0から100%まで充電することが可能とされている。

 パワーユニットは最高出力4.1kW、最大トルク15N・mで、最高速度は71km/h、1回の充電で95kmを走行できる。エコ、ドライブA、ドライブBという3つの走行モードを備え、利便性を高めるリバースモードや減速時のエネルギーを回収する回生ブレーキも備えている。

 サイドスタンドインターロックシステムや転倒検出などの機能によって実用性と安全性を向上させ、キーレスシステムによってキーフォブを使用して車両をリモートでロック/ロック解除できる。また、シートオープナー、ステアリングロック、充電インレットリッドロック機能1箇所で統合的に制御できるマルチファンクションスタータースイッチも採用されている。

 メーターはカラーTFT LCD画面を採用し、通常の走行情報に加えてナビゲーションとリアルタイムの交通情報を提供する「Suzuki Ride Connect-E」アプリによるスマートフォン接続が可能だ。

 デザインは新鮮で洗練された印象ながら、長年愛されるタイムレスなスタイリングデザインを目指しており、フロント中央に垂直に伸びるLEDポジションライトやスタイリッシュな切削光輝ホイールにより独自性のある外観に仕上げられている。カラーリングは「メタリックマットブラック No.2/メタリックマットボルドーレッド」、「パールグレースホワイト/メタリックマットフィブロイングレー」、「パールジェイドグリーン/メタリックマットフィブロイングレー」の3色が用意され、価格に関しては市場投入が近づいたときに発表するとされている。また、先にも触れたが、グローバルモデルとしては「e-ADRESS」のネーミングで展開されるようだ。

 

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スズキの二輪バッテリーEV世界戦略車第一弾となる「e-ACCESS」はリン酸鉄系リチウムイオンバッテリーを採用し、1回の充電で95kmを走行できる。

 

 

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こちらはグローバル仕様の「e-ADRESS」。カラーばパールグレースホワイト/メタリックマットフィブロイングレーだ。

 

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パールジェイドグリーン/メタリックマットフィブロイングレー

 

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メタリックマットブラック No.2/メタリックマットボルドーレッド

 

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3.07kWhのリチウムイオンバッテリーは固定式とされ、ちょうどライダーのシートの下に配置されている。

 

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バッテリーの後ろ側には、容量17Lのユーティリティスペースが設けられる。

 

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バッテリーはポータブル充電器だと6時間42分、急速充電器だと2時間12分で0から100%まで充電することができる。

 

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充電用のポートは右側のパネルにあり、カバーを開けるとソケットが露出する

 

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ヘッドライトをはじめとする灯火類はLED化され、明るさのアップと省電力を両立している。

 

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キーレス仕様となっており、このキーフォブを持って近づくだけで各種操作を行なうことが可能だ。

 

 
 

新エンジンを搭載し、コネクティング機能も充実させた新型「ACCESS」

 新型「ACCESS」のパワーユニットは、「Suzuki Eco Performance (SEP)」テクノロジーを搭載した空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒124cc。燃費性能を向上させつつ、最高出力6.2kW/6,500rpm、最大トルク10.2Nm/5000rpmを発揮し、タンデムや渋滞中でもスムーズなパフォーマンスを発揮する。

 デザインは、LEDポジションライトやLEDテールランプの採用など細部の刷新により外観を向上。利便性を高めるため、スクーターにはフロントロックで操作する外部燃料リッド、デュアルフロントポケット、シート下の収納スペースの拡大、大型燃料タンクが装備される。改良されたリアサスペンションレイアウト、長くて人間工学に基づいたシート、リラックスしたパッセンジャーライダーポジション、アルミニウム製フットレストにより、快適な乗り心地を確保。また、パッシングスイッチ、ハザードスイッチ、リア左ブレーキレバーのブレーキロックが装備されており、安全性が向上している。

 Bluetooth対応の多機能デジタルインストルメントクラスターには、カレンダーアラートやレインアラートなどの新規追加機能や、周囲の気象情報、定期車両サービスアラート、デジタルウォレット、更新アラート、燃料消費量の詳細などの新規機能を備えたスズキライドコネクトアプリとの統合などが追加されている。

 「ACCESS」にはスタンダード、スペシャル、ライドコネクトエディションの3バリエーションが用意され、カラーは 「ソリッドアイスグリーン」、「パールシャイニーベージュ」、「メタリックマットステラブルー」、「パールグレースホワイト」、「メタリックマットブラック No.2」の5色が用意される。この新型「ACCESS」の価格は、現地価格8万1700 ルピー(約15万円)からとなっている。

 

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インド市場で高い人気を誇る「ACCESS」の新型は、より効率の高いガソリンエンジンを採用し、コネクテッド機能などを充実。

 

バイオエタノール85%まで対応した「GIXXER SF 250」

「GIXXER SF 250」はインド市場専用に設計されたモデルで、バイオエタノール85%までの混合燃料に対応した仕様で、CO2 排出量を削減してカーボンニュートラルに貢献する。油冷4ストロークSOHC単気筒249ccエンジンは、E85燃料で最高出力 20.5 kW(27.9 PS)/9300rpm、E20燃料で20 kW (27.2 PS) /9300rpmの最高出力を発揮し、22.5 N・m/7300rpmの最大トルクを実現している。このパフォーマンスはスズキオイルクーリングシステム(SOCS)とスズキ エコパフォーマンス(SEP)テクノロジーによって実現され、コンパクトさ、低燃費、高耐久性、メンテナンスのしやすさなども同時に実現されている。

 また、デュアルチャンネルABSやサイドスタンドインターロックスイッチ、イージースタートシステムなども装備され、Bluetooth対応のデジタルメーターは、「Suzuki Ride Connect」アプリケーションと統合されており、一目で多くの情報を確認できるようになっている。

 カラーリングは「メタリック マット ブラック No.2/メタリックマットボルドーレッド」と「メタリックマットブラックNo.2」の2色が用意され、価格は21万6500 ルピー(約40万円)からとなる。

 

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バイオエタノール85%までの混合燃料に対応した油冷単気筒エンジンを搭載した「GIXXER SF 250」は、現時点ではインド専売モデルと発表されている。

 

四輪も含めたスズキのBEV生産は、インドを中心に進められる

 スズキはこのイベントで、2024年11月にイタリアのミラノで初公開されたスズキのBEV世界戦略車第一弾「e VITARA(eビターラ)」も一般公開している。「e VITARA」はBEVのグローバルモデルとして、2025年春よりスズキの子会社マルチ・スズキ・インディア社のグジャラート工場で生産を開始し、2025年夏頃からインド、欧州、日本など世界各国で順次販売を開始するという。鈴木社長は会場で、「e VITARAは、先日発表した『10年先を見据えた技術戦略』で掲げる、エネルギー極少化の第一歩です。これからもスズキは、インド、そして世界中でサステナブルな未来を目指し、前進してまいります」と述べている。今後スズキはインドを世界戦略の中心とし、本格的なEV製造・カーボンニュートラル戦略を展開することになるようだ。

 

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