NEWパニガーレV2は前モデルよりも17kgの軽量化を達成。ちなみに何か新しいモデルを開発する際は前モデルよりも必ず軽くしないといけないとのこと。「V2エンジンを使って今後色々なセグメントのバイクを軽くしていきます。エンジンだけでなく各部品の軽量化も進めています。部品単体で見れば0.5gかもしれませんが、トータルで考えれば軽くなるんです」とアンドレアさん。
大胆な肉抜きを施した、パニガーレV4のフレーム&スイングアーム
ここ最近、僕がドゥカティのデザインで最も驚いたのはNEWパニガーレV4Sのフレームとスイングアームだ。とても200psオーバーを支えるフレームとスイングアームには見えず、これぞドゥカティの真骨頂だと思ったが、ここに至る過程が想像できなかった。
ちなみにフレームはサイド部分を大きく肉抜きし、縦剛性を40%ダウン。スイングアームはこれまでの片持ちから両持ちとなり、こちらも縦剛性を37%もダウン。フレームとスイングアームを手に持つと驚くほど軽く、その一方で実際に走ると信じられないほどの安定感は、もはや異次元のような感覚にさせてくれたのだ。
これをAIでなく人が作っているとしたら、どのように作業を進めているんだろうか?
「それはとても良い気づきですね。まずは先ほどの6つの柱を守ります。開発の初日からデザイナーとエンジニアが一緒に作業し、さらにパニガーレに関しては、そこに必ずドゥカティ・コルセも介入しています。WSBKに参戦するバイクですからね。
まずはエンジニアが量産するバイクでどのようなスイングアームとフレームが必要かを考えます。その時点で性能を満たしていることが大事です。その後チェントロスティーレでデザインをして、形を決めたらドゥカティ・コルセに戻します。これを繰り返します。すべての部門が求め合うスペックに到達するまで繰り返すんです」とアンドレアさん。
新型パニガーレV4のスイングアーム。最上位スーパーバイクとしては999以来の両持ちスイングアームを採用。実際に手に持つと驚くほど軽量。フレームとスイングアームにはドゥカティ・コルセの技術が惜しみなく投入されている。
ドゥカティにとって最も美しいデザインとは?
最後に、アンドレアさんが大切にするドゥカティらしさとは何かを聞いてみた。
「ドゥカティはデザインだけで成り立っているのではなく、そこに非常に洗練された技術が反映されていないといけません。デザインと洗練された技術が最高の状態で組み合わされた時が、ドゥカティの一番美しいデザイン。それがドゥカティらしさです」と答えてくれた。
今回ドゥカティを訪れて、クラウディオさん、アンドレアさん、パオロさんという普段は会うことさえ許されないキープレーヤーと話ができたことは、まさに貴重な時間だった。フレキシブルなもてなしに、改めて心からの感謝を述べたい。
ドゥカティは社員1200人のとても小さな企業だ。そんなドゥカティがMotoGPでは他メーカーを圧倒し、市販車では毎年のようにNEWエンジンを発表。ドゥカティは自らが常に変革しようとしていて、本質を守りつつ常にアップデートもしているのである。そしてその表現がとても上手い。エンジニアリングデザインのスピード感、エモーショナルな感性がこれからも多くの驚きと発見を与えてくれるに違いない。
ちょっと気は早いが、2026年の創業100周年はとんでもないことが起こるのだと思う。僕もとても楽しみにしている。
ここ数年で様々な新しいエンジン登場させるドゥカティ。右から新しく発表されたばかりの「V2」、モトクロッサーの「デスモ450MX」、ハイパーモタードに搭載される「スーパークワドロモノ」、パニガーレやストリートファイターに搭載されるV4の「デスモセディチストラダーレ」。
パニガーレV2などに搭載されていたスーパークワドロエンジンより9.4kgも軽く仕上がった「V2」エンジン。アンドレアさんに「V2は今後ドゥカティのエンジンの中で最も数を生産するエンジンになりますか?」と聞いたところ「おそらくそうなるだろうね」とのこと。ラインナップ拡大に期待が募る。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/438023/
ドゥカティにとって“最も美しいデザイン”とは?【本社デザイン部門トップ、アンドレア・フェラリージ氏に聞く】【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=438023&slide=1

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