フロントサスの動きが真下に見えるのが面白い! 乗り味は独特
試乗するととにかく目立つ。信号待ちで並んだライダーに声をかけられる率が高く、これまで乗った試乗車で5本指に入るレベル。ライダー目線からも股下の景色がとてもメカニカルでうっとりしてしまう。眼下でサスの伸び縮みが作動し、唯一無二のメカニズムを視覚的に楽しませてくれるのだ。
そして、ブレーキの効き方はこれまでにない印象。通常のバイクではフロントが沈んでタイヤを路面に押し付ける感覚とともに制動するのだが、そういった手応えがなく減速するのであまりブレーキをかけている感じがない。それでも、減速中でも凸凹を吸収するのでより安定したブレーキングが実現できているはずだ。
また、リアブレーキをかけると車体全体が沈み込むのも通常にはない動きなので戸惑う。そして、減速してコーナリングに移行する際は、フロントの制動を残したままだと立ちが強くてバイクが傾かないので、ブレーキを完全に終えてからか、リアブレーキだけを残して向きを変えるようにしたい。
コーナー前半の曲がるタイミングでは前輪に比重が移る通常のバイクとは異なり、ドラッグスターは前後両タイヤに荷重がかかりながら曲がるようなイメージで、特に後輪の存在感が大きい印象。前後輪を活用するということは、タイヤの持つグリップ力を総合的に活用できるので、安全性の高いコーナリングの実現にも繋がるだろう。
2023年は電動仕様の発売も濃厚! エンジンとどっちがいい?
今回試乗したのは上級版のドラッグスター200。MVアグスタジャパンによると125ccよりも人気があるのは200ccの方で、購入者は通勤などの実用ではなく趣味的な嗜好で選んでいるという。また、パワー差が5PSあるのに対して価格差は4万4000円しかないので、維持費を考えても高速に乗れる200がお得だろう。
高速道路でも動力性能は不足なく追い越しも可能。エンジンは高性能なDOHC4バルブヘッドを採用しており、高回転域のパンチは力強かった。車格的にはビッグスクーターよりも小ぶりで風よけのスクリーンも非装備だが、日帰りツーリングは十分に視野に入る。尚、実燃費は24km/Lを記録しており、計算上の航続距離は216kmとなる。
そして、2022年下期にはEV仕様の「ドラッグスター#e01エレクトリック」も海外では発売が予告されている。最高出力は16.3PSとドラッグスター200の17.5PSよりも抑えられているが、最大トルクは4kg-mと同1.58kg-mを大幅に上回る。0-50km/h加速は2.9秒! の性能は文字通りドラッグスターのネーミングを体現するモデルになりそうだ。
EV版の航続距離は都市部で180km、郊外で90kmとされ、街乗りメインであればエンジン仕様と遜色ないレベル。充電時間は4時間、さらに急速充電では30分(ともに95%充電)とされている。価格など製品版の詳細は2022年11月に開催されるミラノショーで発表されるだろう。こちらも期待!
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