【スクープ】二輪車定率割引が大人気! 利用者は定額プランの5倍=10万人、お盆も実施で継続は必至か

【スクープ】二輪車定率割引が大人気! 利用者は定額プランの5倍=10万人、お盆も実施で継続は必至か

 2022年4月からスタートした「二輪車定率割引」の利用者は、ゴールデンウィークを挟んだ5月末時点で約10万人に達していたことが判明。同時期に開催された定額のツーリングプランに対し、約5倍も利用されていたことがわかった。

 さらに、四輪の休日割引が適用されないお盆休みにも二輪車定率割引が適用されることが決定。ますます人気を集めそうだ!

文/沼尾宏明

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面倒な条件は多々あれど、実施してみれば大盛況

 4月2日から、バイクの高速道料金が普通車の半額となる「二輪車定率割引」が開始されたのは既報のとおり。長年バイクは不当にも軽自動車と同じ割高な料金設定となっており、今回の「定率割引」は現状を変える大きな一歩とされている。

 とはいえ、事前予約したETC搭載車が対象で「土日祝日限定」「一回の走行で100km超」など利用するには様々な条件がある。また、割引率は従来の料金から37.5%で、既存の「ETC休日割引」(土日祝日に四輪、軽自動車、バイクへ適用)の30%引きと大きな違いがないことにブーイングするライダーも多かった。

 しかしフタを開けてみれば大盛況だった。
 開始日の4月2日から5月末までの2か月間における二輪車定率割引の利用件数は「約10万件」(関係者筋)。同時期には、一定エリアが定額で乗り放題の周遊プラン「ツーリングプラン」も実施されていたが、こちらの利用件数は「約2万件」(同)という。二輪車定率割引はツーリングプランの5倍も数が多かったのだ。

 今年のゴールデンウィークは休日割引が対象外だったのに対し、二輪車定率割引とツーリングプランはともに適用され、利用件数を伸ばしたと思われる。ただしツーリングプランは連続する最大2~3日間有効で平日も対象となるが、それでも土日祝日限定の二輪車定率割引の方が人気だった。

 使い勝手としては、どちらもメリットとデメリットがある。ツーリングプランは曜日に関わらずエリア内を何度も乗り降りして周遊する人向き。定率割引は土日祝日にイッキに高速を100km以上走り、往復するような使い方でオトクになる。

 盆休みにツーリングできる人は、自分の計画に合わせ、オトクになる使い方を探して欲しい。ちなみに、二輪車定率割引とツーリングプランは申し込んだ後、利用しなければ自動でキャンセルされ、料金もかからない。また、二輪車定率割引は高速道路に乗った後、料金所出口を出る前にSAやPAから利用申し込みをしても適用される。

 なお、管轄の国土交通省高速道路課に二輪車定率割引の利用実態について尋ねたところ、「担当者が不在」とのことで執筆時までに回答は得られなかった。

二輪車定率割引とツーリングプランの比較。使い方に合わせて楽しみたい
二輪車定率割引とツーリングプランの比較。使い方に合わせて楽しみたい

わずか2か月でコロナ禍前のツーリングプラン利用件数を上回った!

 10万人という数字がピンとこない人もいるだろうが、これはかなりのものだ。

 2017年に初めて開催された「ツーリングプラン」は、首都圏でのみ7月14日~11月30日の約4か月半にわたって行われ、利用件数は5万1335件。最も多かった2018年のツーリングプランでは北海道と四国を除く全国にエリアを拡大して7か月間実施され、約7万8500件の利用があった。

 2か月のみの数字ながら二輪車定率割引の方が多いのだ。2018年はもちろんコロナ禍前で、外出が自粛される以前の数字。使い勝手に難があるとはいえ、ライダーが定率割引を受け入れたことの証明になるだろう。

2017年から実施されてきたツーリングプラン。利用件数で比較すると、二輪車定率割引はより好評と言える
2017年から実施されてきたツーリングプラン。利用件数で比較すると、二輪車定率割引はより好評と言える

 定率割引によって、二輪車の高速道路利用者が増加したかは不明。前年同月比で比較できれば話は早いのだが、数字がカウントはされておらず統計はない。これは、料金設定が同じバイクと「軽自動車」が一緒に計上されていることが理由。ただしETC搭載車の場合、登録している情報で軽自動車か二輪車かは判別できるはずだが、統計は発表されていない。

 ちなみに、高速道路のバイク走行台数から算出してみると、およそ6台に1台が二輪車定率割引を利用した計算になる。

 2017年7月~2018年6月の期間、高速道路3社が全国47料金所で(驚くべきことに)“初めて”バイクの利用実態調査を実施したたところ、二輪車の割合は全体のわずか0.38%だった。

 さらに2021年の統計によると、NEXCO三社管轄における高速道路1日あたりの全交通量は4月=722万台、5月=665.1万台。2022年の場合、4~5月の土日祝日は22日間あり、この間の交通量を計算すると約1億5201万台となる。

 このうちバイクの利用台数が0.38%とすると、バイクの通行台数は57万7645台。定率割引の利用台数が10万台なので、6台につき1台が利用した計算となる。なかなか高い利用率と言えるでのではないだろうか。

クルマは適用外だが、バイクはお盆にも割引の対象に!

 例外的にゴールデンウィークに適用された二輪車定率割引だが、今年の「お盆休み」も対象になる。これはライダーにとって実に朗報だ。

 8月11日(祝)、13日(土)、14日(日)のお盆中は、ゴールデンウィークと同様に渋滞を避けるため、クルマの休日割引は適用外となっているが、二輪車定率割引は通常通り実施される。

 なぜ二輪車のみ割引されるのか。関係者筋によると、定率割引を推進した自民党二輪車問題対策プロジェクトチームらの後押しがあったほか、「高速道路におけるバイクの利用率は全体のごくわずか。“これを除外したとしても渋滞緩和への影響はほぼない”と国交省が判断したため」という。

 そもそもバイクは道路の占有スペースが小さく、渋滞を起こしにくい。何より筆者を含め我々ライダーは長年、軽自動車と同じ高額な料金を強いられてきた。ドライバー諸兄は不公平に思うかもしれないが、ゴールデンウィークやお盆の割引ぐらいは多めに見てほしいものである……。

盆休みにクルマの休日割引は適用されないが、二輪車定率割引とツーリングプランは適用される。ライダーにとって朗報だ
盆休みにクルマの休日割引は適用されないが、二輪車定率割引とツーリングプランは適用される。ライダーにとって朗報だ

好評だけに今後も継続される可能性大、次のステップにも期待したい

 ちなみに二輪車定率割引のユーザーには、ユニークな使い方をしている人が存在するとのこと。

 各月の申し込みは前月下旬から開始されるのだが、その時点で1か月分の土日祝日を全て申し込んでおく。この方法なら一々申請する手間が省けるし、前述したとおり無断でキャンセルしても二輪車定率割引は料金やペナルティが発生しない。休日割引に近い感覚で使えるというわけだ。

 こうした使い方をしているユーザーが「数%存在する」(情報筋)という。

 ――今回の二輪車定率割引は、2022年11月27日で終了となる。今後の実施は未定だが、「このまま好評が続けば来年春に実施されるのは確実」と関係者筋は話す。また「ツーリングプランの利用が減れば、こちらを廃止して、二輪車定率割引に一本化する可能性もある」という。

 また12月11日まで、利用した人を対象にアンケートも実施されている。二輪車定率割引は、確かに利用しにくい面も多々あるが、注文がある人は利用してアンケートに回答してみてはいかがだろうか。直接NEXCOと国交省に声を届けることになり、カタチにも残る(おまけに抽選で300名にプレゼントも進呈される!)。

 利用者がこのまま増え、アンケートで多くの改善すべき要望が集まれば、「全国いつでもどこでも普通車の半額」という積年の目標が叶う近道になるハズ。二輪車定率割引は、その目標に向かうためのあくまで一里塚なのだ。

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