14名のパラモトライダーが往復26kmのコースを走行
SSPの目指すところは実際の公道である箱根ターンパイクでパラモトライダーたちと一緒にツーリングをするというものであった。というのも、事故で障がいを負ってしまったパラモトライダーの多くは、事故後に2輪が乗れないということで2輪免許を返納してしまっている。そのため一般公道でありながらも、占有が可能な箱根ターンパイクならパラモトライダーでもツーリングが可能だ。
SSP設立当初からいつかは箱根ターンパイクで、というのが合言葉として存在していた。できれば10年以内、2030年までには実施したいというのが夢であった。ところが、今年急きょその話が現実的なものとなり、SSPは計画を8年前倒し。この企画のためクラウドファンディングを立ち上げ、この日の開催に至ったのである。
そして集まったパラモトライダーは、SSP側から招待された14名。各パラモトライダーはそれぞれ一人につき9名まで友人を誘って一緒に箱根を走行できるという企画となっている。ルートは箱根ターンパイクの小田原料金所から大観山展望台まで駆け上がり、ここでUターンし再び小田原料金所まで戻ってくる26km。バイクにはSSPのハンドドライブシステムを組み込み、下半身不随でもバイクを操作できるようになっている。
予定のルートを走り切り感動のフィナーレ
会場に集まった150名におよぶボランティアスタッフは、スタート&ゴール地点でのパラモトライダーの乗せ下ろしや発進&停止のサポート以外に、コースの沿道にもスタンバイし、パラモトライダーたちの走りを見守り、声援を送った。
初秋の好天に恵まれたこの日、小田原料金所近くはまだ残暑が残るイメージだったが、箱根に上がると涼しく、まさにバイク日和。ルートの途中からは、富士山や相模湾もしっかり見渡せる一日となった。
参加したパラモトライダーは「今まで経験のないくらいうれしい出来事。来年以降もまた走りたい」「サーキットとかと違って落ち葉があったりして、いい意味で緊張感もあって楽しかった」「20kmを超える距離なので心配しましたが、走り出してしまったらあっという間で楽しく終わることができました」「こんな日が来るなんて本当に考えもしなかった。あきらめてきたことが実現できる、なんてすばらしい1日なんだろう」とツーリングを終えバイクを降りた参加者たちはその感動を口にしていた。
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