大ヒット映画『ガンダムSEED』にバイクが出演、その理由を福田監督に聞いたッ!!【モーターサイクルショー2024】

大ヒット映画『ガンダムSEED』にバイクが出演、その理由を福田監督に聞いたッ!!【モーターサイクルショー2024】

20年ぶりの新作となった映画機動戦士ガンダムSEED FREEDOM は、歴代ガンダム映画ナンバー1のヒットを飛ばし、現在も興業記録を更新中だ。見た人はご存じだろうが、劇中にはホンダのゴールドウイングとホーク11が登場する。その理由を福田己津央監督に直撃! 実は監督、ライダーでホンダが愛車だったのだ!

 
文/沼尾宏明 Webikeプラス
 

42年ぶりにガンダム映画の興行収入記録を更新!

 1982年に劇場公開された『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)』をリアルタイムで見たガンダムオタク(ガンオタ)の筆者(50代)にとって非常に感慨深い。――2024年1月26日から公開された『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の興行収入が、従来のガンダム映画で最高興収だった『めぐりあい宇宙』の興収23億円を突破。42年ぶりに記録を更新したのだ。

 3月中旬現在では興収38.8億円、観客動員数が230万人を超え、歴代記録を更新し続けている。

 

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映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は19年ぶりのシリーズ続編! 本当に待ちに待ったファンが多かった! ©創通・サンライズ

 

 
 
 

劇中シーン解説、キラとラクスがゴールドウイングで日帰りツーリング

 実は筆者も公開1週間後、同じくガンオタの息子(17歳)と早速鑑賞。『DESTINY』の続きをどう描くのか期待と不安が入り混じりつつ劇場に足を運んだが、エンタメとして実に満足いく出来映えだった(詳細は後述)。

 何より驚いたのは劇中に見慣れた2台が登場したことだ。物語の前半(序盤の後ぐらい)で主人公キラ・ヤマトとヒロインのラクス・クラインが暮らす邸宅のガレージに、ゴールドウイングおよびホーク11が鎮座していた。

 ゴールドウイングで二人がツーリングし、バイクを停めて自然の中でランチをする。ガンダムのメカと言えば当然モビルスーツ(ロボ)だが、バイクが登場するのは珍しい。さらに実在の車種が登場するのはガンダムSEEDシリーズでは初めて(一応全話見ているがそのハズ)。しかもバイクシーンはそれなりの尺が割かれ、ゴールドウイングが目立っていた。

 

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こちらが劇中のシーン。キラ&ラクス邸のガレージにゴールドウイングおよびホーク11が! ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

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邸宅の壁には思い出の写真が。注目は右側。ラクスがホーク11に跨っている! ホークは彼女の愛車なのかも? ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

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その直後、キラとラクスがゴールドウイングで日帰りツーリングに出発! 車体色は白に近いシルバーに見えるが、実際にはラインナップされていないため、オリジナルカラーか。 ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

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メカの描写は本物のゴールドウイングに細部まで忠実。 ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

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ナンバーのFSA 0725 APは何らかの意味がありそうだが、わからず……。 ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

 

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おそろいのジェットヘルメット。形状が独特なのでオリジナルのようだ。コーディネイターだけにコーディネートもバッチリ(失礼)。 ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

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桜(?)が咲く下で、テントを張ってお食事。 ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

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収納が多いゴールドウイングだけに荷物の運搬は簡単。スペースコロニーのため、空に柱が見える。 ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

 

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しばしの安息だったが、この後、物語は急展開を迎える。 ※転載禁止 ©創通・サンライズ

 

 

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実物のゴールドウイング(ホンダ)。1975年のGL1000以来、ホンダの旗艦ツアラーとして君臨し、現行型は1833cc水平対向6気筒を搭載。2018年のフルチェンジで軽量コンパクト化を促進し、運動性能が向上した。346万5000円

 

 

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ホーク11(ホンダ)は、ロケットカウルとセパハンを備えた大人のスポーツモデルとして2022年デビュー。アフリカツイン譲りの1082ccパラツインを抱く。ゴールドウイングと同様、落ち着いた2人によく似合う。139万7000円

 

 作品世界は現代ではなく、相当な未来(なにせスペースコロニーに人が移住している!)。その後も映画を楽しみながら時折思い出し「なぜ?」とハテナマークが浮かんでいた(笑)。そしてエンドロールのクレジットに「協力 本田技研工業」の文字が!

 これは登場の理由を訊いてみるしかない……というわけで、配給元のバンダイナムコフィルムワークスに取材を試みた次第。なんと、あの福田己津央監督からコメントを戴くことができたのだ!

[解説]ガンダムSEEDは21世紀初のTV版ガンダムとして大ブームに

 上の文章がよくわからなかった方のほか、「ファーストガンダムはわかるけど、SEEDはよくわからん」という方も多いのではなかろうか。そこで簡単にガンダムSEEDシリーズについて解説。さらに映画の感想も書いてみたい(早く福田監督のコメントが見たい人は次々章まで飛ばすべし!)。

 1979年のTV放映から始まった『機動戦士ガンダム』の説明は長くなるので省くが、とにかく革新的なアニメだった。その後、直接的な続編のほか、世界観や様式美を採り入れた多数の派生作品が登場。『機動戦士ガンダムSEED』は、2002年10月から全50話で放送、21世紀に入って初めて制作されたTVシリーズのガンダム作品だった。

 物語は遺伝子調整された人類(コーディネイター)と、それまでの人類(ナチュラル)が敵対。コーディネイターである主人公、キラ・ヤマトの活躍と苦悩が描かれる。多数の美形キャラとケレン味のあるアクションなどで大人気を博し、第二次ガンプラブームまで発生。“ガンダム中興の祖”となった。

 実は当時、ガンダム人気は低迷気味。2000年まで、ファーストガンダムの生みの親である富野由悠季監督が手掛けた『∀(ターンエー)ガンダム』がTV放送されていた。しかしヒットとはならず(私は好き)、SEEDが人気にならなければガンダムシリーズが終了していた可能性もあった、と関係者インタビューで聞いた。

 そして2004年10月から続編となるTVシリーズ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が放送。視聴率、パッケージ販売数は前作を上回った。2016年には映画製作が発表されるも、以降の動きは報じられず。今回の『ガンダムSEED FREEDOM』は製作発表から、ついに18年ぶりに公開された完全新作なのだ。

 劇場版のストーリーは『DESTINY』の続編となり、前作、前々作のメインキャラクターが総登場し、新たな戦いを繰り広げる。映画を待ちわびていたファンが劇場に詰めかけ、大ヒットとなっているのだろう。

[映画レビュー]キラの葛藤が描かれ、人間関係も深化。もちろんアクションも必見

 私はファーストガンダムの世界を描く「宇宙世紀」ものが好きで、もっと言えば富野監督のファンだ。

 ファーストガンダム世代にとって、SEEDシリーズはキャラやメカのデザインがとっつきにくく、食わず嫌いの人が多いかもしれない。しかしながら戦争というガンダムらしさを非常に体現した作品でもある。特にTVシリーズ第1作のSEEDは、ファーストを換骨奪胎し、21世紀に相応しい問題を盛り込む。筆者としては宇宙世紀もの以外のアナザーガンダムではとてもお気に入りだ。

 続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、悟りを開いたような完璧超人になったキラだが、今回の映画では人間的な葛藤を見せ、克服することがストーリーの柱になっている。

 さらにラクスとの関係および、同志であるアスランとの関係が一段と深化する点もよかった。またDESTINYで描ききれなかったシンの活躍もファンの溜飲を下げたはずだ。

 モビルスーツのアクションに関して。TV版は手描きアクションの極致と言えるほどの出来(特にHDリマスター版)だったのに対し、映画ではバリバリのCGに。ここも筆者の不安ポイントだったのだが、全くの杞憂に終わった(アレに乗っていたのがシンで、キラがアレに乗り換え、アスランのアレが実はアレだったのもよかった笑)。

 特にラストの激しいバトルが迫力満点なので、ぜひ劇場で見てほしい。全体的に尺の関係でいささか強引だったり性急すぎる場面や、唐突にギャグになるシーンがちょっと引っかからなくはない。でも長年SEEDが好きだった人へのファンムービーとして抜群の出来だと思う。

福田監督「バイクは自由」! 実はバイク好きでレブル1100が愛車

 第一作のSEED、続編のDESTINY、そして今回の映画と全て監督を務めてきたのが福田己津央氏。1980年代からサンライズ作品を手掛けてきた大ベテランだ。

 これまで作品を見てきた者としてはドキドキものであるが、バイクが登場した理由についてバンダイナムコフィルムワークスを通して次のコメントを戴くことができた。

 「車(安定的なイメージ)よりもバイクの方が『自由』なイメージが強く、自由を求める二人のキャラクターのシーンに合っているからです」

 なるほど、タイトルの「FREEDOM」にもかかっていると! そもそも監督自身がバイク好きで、基本的に今もバイクで移動されているそうだ。バイクが好きになったきっかけは次のとおり。

 「特撮ヒーローや『バリバリ伝説』などの影響でバイクに憧れ、バイクを意識し出しました」

 今の愛車はホンダで「乗りやすいから乗り続けている」とのこと。

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