「帰ってきたあぶない刑事」公開!! 「西部警察」にも帰ってきてほしい!!! 今振り返る舘ひろしと劇中のバイクたち

「帰ってきたあぶない刑事」公開!! 「西部警察」にも帰ってきてほしい!!!  今振り返る舘ひろしと劇中のバイクたち

 5月24日(金)公開の映画「帰ってきたあぶない刑事」でタカとユージが横浜に帰って来る。

 この話を聞いた時「え? 帰ってきちゃったの?」と思ったのは筆者だけではないだろう。なぜなら2015年公開の「さらばあぶない刑事」で筆者としては最後のタカとユージに会いにわざわざ封切り初日に見に行った訳だし、映画の最後で二人はめでたく定年退職したからだ。まあ、帰ってきちゃったものはしょうがないので、当然映画館に観に行く訳なのだが。この「あぶない刑事」シリーズの魅力のひとつとなっているのが、タカこと鷹山敏樹を演じる俳優舘ひろし氏のバイクアクションだろう。ほとんどのシーンで舘氏本人がバイクを運転し、時として極めて危険なスタントにも挑んでいる。

 
文/後藤秀之 Webikeプラス
 

「舘ひろし=バイク」をお茶の間に定着させた「西部警察」

 「舘ひろし=バイク」というイメージ象は、舘氏が所属していたバイクチーム「クールス」時代から続いている。バンドとしてのクールスのアルバムジャケットにも黒いハーレーが度々登場している。この「黒いハーレー」は舘氏がラグビーのニュージーランド代表「オールブラックス」が好きだったということで、クールスのバイクは黒になったと何かのテレビ番組で語っていた。バンド活動と並行して俳優業も始めた舘氏だが、もっぱら不良や暴走族をテーマにした映画に出演していた。

 はじめてテレビドラマのレギュラーとなったのが1979年にスタートした「西部警察」で、ノーヘルでハーレーダビッドソンのFXE1200スーパーグライドを乗り回す「タツ」こと巽総太郎役であった。このタツはリーゼントにサングラス、革ジャン・革パンというどう見ても刑事には見えないロッカースタイル。あの時代のお母さんたちからすれば、「やあねぇ、不良じゃない」と言われてしまう感じのルックスであった。このタツは舘氏の契約の関係で第30話にて殉職してしまうのだが、109話でアメリカ帰りのキザなエリート「ハト」こと鳩村英次という別キャラクターで舘氏は再登場する。

 このハトは西部署に設立された「特別車両機動隊」の隊長も兼ねるという役どころで、バイクにも乗る。しかし、バイクはハーレーではなく、黒いスズキGS650Gに変わっていた。パートIIからはライトカスタムされた黒いスズキGSX1100S KATANA、「GSX1100X KATANA」へと乗り換え、パートⅢではレース用にチューンされたバイクをストリート用にリファインした「KATANA-R」へと乗り換えている。

 良くも悪くも「舘ひろし=バイク」というのを世間に広く知らしめたのは、最高視聴率20%を超えていた超人気ドラマ「西部警察」シリーズであったと言えるだろう。

 

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西部警察の再度登場した舘ひろし演じる鳩村の最初の愛車はGS650G。写真は1981年式で、実際に使われたのは黒くペイントされたこの前期型だ。

 

 

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パートII以降鳩村の愛車となったGSX1100X KATANAのベースとなるのが、このGSX1100S KATANA。写真は1981年式で、当時は国内に数の少なかった逆輸入車だ。劇中車は黒くペイントされていた。

 

 

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神戸ユニコーンがレストアした本物の鳩村仕様GSX1100X KATANA。舘氏の好みに各部がカスタムされている。

 

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ショートテール化されており、テールランプやウインカーも変更されている。

 

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マフラーはアウトバーン製の集合管が装着されていた。

 

 
 
 

時々活躍するスズキのバイクは、あぶ刑事の定番シーンに

 1984年に西部警察パートⅢが終わると、1985年に「ただいま絶好調!」というドラマの売れないバントマン役を経て、1986年「あぶない刑事」がスタートする。あぶない刑事で舘氏が演じるのが「ダンディー鷹山」こと鷹山“タカ”敏樹である。このドラマで相棒となったのは柴田恭兵氏が演じる「セクシー大下」こと大下“ユージ”勇次で、愛車はシャンパンゴールドの日産レパードであった。このレパードは基本的にユージが運転しタカは一切運転しないのだが、これは当時舘氏が他メーカーの車のCMに出演していたからだと言われている。しかし、タカが度々バイクをそのへんの一般人から借りて(奪って?)犯人を追跡するというシーンがあり、GSX-R1100/750やGSX750Eなどスズキ製が使われていた。「あぶない刑事」シリーズのバイクアクションの中で、最も印象に残っているのが、映画第1作目の「あぶない刑事」でGSX750Eに乗ったタカがダンプカーへと乗り移るシーンだ。このシーンは舘氏自身がスタント無しで演じており、万が一ケガをしても撮影に支障が出ないように撮影の最終日に撮影されたと舘氏は語っている。

 

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舘氏渾身のスタントにも使用されたGSX750E。バイク史の中では隠れた名車扱いだが、ファンにとっては印象に残る1台だ。写真は1980年式だ。

 

 

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GSX-R1100/750もあぶ刑事を代表するバイク。当時は誰もが憧れたバイクであり、タカに奪われたオーナーは泣き崩れたに違いない。写真は1985年式のGSX-R750だ。

 

ハーレー+ショットガン、それはタカのアイデンティティとなった

 それ以降もタカがバイクに乗るシーンは必ずあるのだが、テレビドラマの第2期となる「もっとあぶない刑事」では、カワサキのGPZ750Rに乗るシーンが登場するなどバイクの「スズキ縛り」は見られなくなった。「もっとあぶない刑事」に先駆けて公開された映画2作目となる「またまたあぶない刑事」ではハーレーに跨ったままショットガンを撃つシーンが初めて登場。それ以降定番となったこのシーンは、舘氏自らがノーヘル両手放しで演じている。今回の「帰ってきたあぶない刑事」のトレーラーでもハーレーに跨ってショットガンを撃つシーンがあり、ムビチケオンラインの前売りチケットの特典では、そのシーンがアクリルスタンド化されている。ちなみに今回乗っているのは、黒いハーレーダビッドソン ダイナワイドグライドのようだ。

 

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「さらばあぶない刑事」でハーレーに跨りショットガンを撃つタカ。黒いダイナローライダーは、舘氏の好みで選ばれたに違いない。©2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

 

 

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映画「またまたあぶない刑事」以降は、スズキ製のバイク以外も使われるようになった。当時登場したGPZ750Rを見て、「スズキじゃないんだ」と思ったファンもいるはず。

 

 

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「帰ってきたあぶない刑事」では、どうやらハーレーのダイナワイドグライドが使われている模様。真偽は映画舘で確かめてほしい。

 

ハトが新しいカタナに乗る、「帰ったきた西部警察」も観てみたい

 こうして「あぶない刑事」は帰ってきた訳だが、「西部警察」は石原プロが無くなってしまったこともあり新作は作られていない。「西部警察2003」という連続ドラマが予定されていたのだが、撮影中の事故で連続ドラマは中止され、2004年に放送された「西部警察SPECIAL」というスペシャルドラマが最後になっている。舘氏は現在74歳、現実であればもうとっくに警察を退職している年齢だが、西部署で「鳩村軍団」の団長を務めるハトが、若い刑事たちを後ろに従えて新型の黒いカタナで疾走するシーンを観てみたい。

 新作映画「帰ってきたあぶない刑事」では、ニュージーランドで探偵をしていたタカとユージが横浜に舞い戻り、どちらかの娘かもしれない永峰彩夏という女性と事件に巻き込まれるというストーリー。トレーラーではトールちゃんが「あぶなくない探偵、『あぶたん』とでも呼ばれていろ〜」とかなんとか叫んでいるが、二人が銃を撃ちまくるシーンも流れているので、やはり二人は「あぶない」ままのようだ。とりあえず今週末(原稿を書いているのは5月20日だ)は、タカがハーレーに乗ってショットガンをぶっ放すのを観てくることにしよう。「帰ってきたあぶない刑事」は、5月24日(金)より公開だ!

 

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鳩村団長が新型KATANAに乗って、軍団の先頭を走る姿を観てみたい。色はもちろん黒、元からショートテールなので舘氏好みでは?

 

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/376440/

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