【試乗】NMAXは快適な乗り心地とスポーティな走りが高次元でバランス!

【試乗】NMAXは快適な乗り心地とスポーティな走りが高次元でバランス!

 走りの楽しさと、燃費・環境性能を高次元で両立している「BLUE CORE」エンジン。そのBLUE COREエンジンの国内初導入モデルとなったのが、2016年に発売された125ccスクーター「NMAX」だ。2017年には新排出ガス規制に適合し、2021年にはさらに厳格化された排出ガス規制に適合させるためBLUE COREエンジンも進化。その後、2022年にカラー変更が行なわれ、2023年には新色ダークブルーが追加された。

文:Webikeプラス 小川浩康 写真:コイズミユウコ

 

しっかりした作り込みが感じられる車体まわり

 BLUE COREエンジンの国内初導入モデルとして2016年に登場したNMAX。吸気バルブの作動が6000rpmで低中速側から高速側へ切り替わる可変バルブ(Variable Valve Actuation)、前後ABSなどを、ヤマハのスポーツスクーター「MAXシリーズ」のイメージを踏襲したコンパクトな車体に搭載し、走りの楽しさと燃費・環境性能を両立しているのが特徴だ。

 2017年には平成28年度国内排出ガス規制に適合し、以降は毎年カラーを変更。2021年には平成32年排出ガス規制に適合するためエンジン内部を変更。静粛なエンジン始動を実現する「Smart Motor Generator」、低燃費に貢献する「Stop & Start System」、新型フレームと最適化された前後サスペンション、トラクションコントロールなど装備を充実。その後はカラー変更が行なわれ、最新の2023年モデルでは新色ダークブルーを追加した。

 

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2眼ヘッドランプ、ブーメランをモチーフとしたサイドカバーなど、躍動感のある「MAXシリーズ」らしいデザインを受け継ぐ。画像のマットダークグレーのほかにマットダークグリーン、新色のダークブルーの全3色。

 

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上4灯はロービーム、下2灯はハイビームのヘッドランプと、ポジションランプはLED。ウインカーはバルブ。

 

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テールランプとストップランプはLED、ウインカーはバルブだが視認性は良好。ハザード機能も装備。

 

 

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スマートキーでハンドルロック、シートロック、給油口のロック解除ができる。左側ポケットは12V用DCコネクターを装備。最大耐荷重は1.5kg。右側はリッドを備え、最大耐荷重0.3kg。タンク容量7.1Lの給油口はセンタートンネル上面に設置。

 

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前後方向に余裕があり、クッション性も良好なシート。ポジションの自由度が高く疲れにくい。

 

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シート下トランクは容量約23Lで、今回使用したフルフェイスヘルメットとレインウエアなどを収納可能。

 

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速度、時計、ガソリン残量、水温、バッテリー電圧などを表示する液晶メーターパネル。トラクションコントロールはOFFにできる。

 

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アイドリングストップのオン・オフ切り替えはハンドル右側、メーターパネルの表示切り替えはハンドル左側に設置されたスイッチで操作する。

 

 
 
 

NMAXの足着き性をチェック!

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ライダーは身長172cm。シート高は765mmで足着き性は良好。くるぶしで車体をホールドでき、マシンコントロールしやすい。

 

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両足を着くとカカトが浮くが、車体が軽いので停車時に不安はない。自由度の高いポジションが好印象だった。

 

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ライダーは身長156cm。リラックスしたライディングポジションをとると、カカトが少し浮く状態となる。

 

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両足を着くと、つま先立ちになる。「取りまわしが軽く、車体も安定しているので足着き性に不安ない」とのこと。

 

スムーズさが軽快な走りを実現している

 

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NMAXの車体の倒し込みはスムーズで、加速もスムーズ。走りの軽快さは右折時にも感じられ、操る楽しさがつねにある。

 

 Smart Motor Generatorを搭載するNMAXは、セルスイッチ一押しで静かにスムーズにエンジンを始動できる。ただし、アイドリング時には車体の振動を感じる。手足がしびれるほどではないが、気になるならアイドリングストップ機能をオンにして対処できる。アイドリングストップ状態からは、スロットルを少し開ければほんの一瞬の間を置いてエンジンは再始動する。その際も「キュルキュル音」が発生せずスムーズだ。

 アイドリング状態から少しスロットルを開ければ、車体はスッと進み始める。極低速トルクは必要充分な感じで、蹴り出されるような加速力はないものの、そこからのエンジン回転上昇が超スムーズ。アイドリング時に感じた振動もなく、車速もなめらかに上がっていく。それほどスロットルを開けたつもりはないのだが、メーターには6000rpmで吸気カムが切り替わる「VVA」の文字が表示され、余裕を持って交通の流れをリードしていた。

NMAXのBLUE COREエンジンは高めのギヤ比で、快適な巡航を重視した設定となっている。トルクの太さを感じながらグイグイ加速するというより、クイックなエンジン回転上昇でスーッと加速し、スムーズに走り続けていくように感じる。
そのスムーズな乗り味は前後サスに因るところも大きい。路面状況のいい舗装路ではフラットな乗り心地で、移動は快適そのもの。荒れた路面では車体が突き上げられることもあるが、前後サスは奥で踏ん張り、大きな衝撃はしっかり吸収している。また、シートの着座位置とフロアの足の置き位置を変えることができ、ライディングポジションに自由度があって走行時の疲労を軽減しやすい。

 

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6000rpmで低速向けから中高速向けのカムに切り替わるが、振動や唐突さはなくスムーズ。

 

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フロントサスはフレームとのバランスを調整し、セッティングを最適化。軽快なハンドリングを実現している。

 

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安定した減衰力とクッション性を発揮するリヤサス。標準とハードの2段階にプリロード調整が可能。

 

扱いやすくて快適。だが、スポーティな走りが本分

 前後13インチホイールは直進安定性を発揮しつつ、前後タイヤの接地感も分かりやすい。ハンドリングにクセもなく、車体の倒し込みもスムーズに行なえる。センタートンネルがあることでくるぶしで車体をホールドしやすく、車体との一体感もあって気持ちよくコーナリングができた。

 NMAXはφ60.5mmのメインパイプにφ45mmのダウンチューブと補強材を追加したフレームを持ち、そのフレーム形状からセンタートンネルを採用している。このセンタートンネルは車体のホールドに使えるだけではなく、燃料タンクを車体中央に搭載して重量マスの集中化にも貢献し、取りまわし時に軽さを感じさせてくれる。車体全体の剛性も確保しているので前後サスの取り付け部分もしっかりしていて、サスのストロークもスムーズになり、正確なハンドル操作も行なえる。車体剛性が高いのでライダーの居住スペースも広くとれ、自由度の高いライディングポジションにもなっている。

 センタートンネルはフラットフロアよりも乗降しにくいデメリットがあるけれど、リラックスしたライディングフォームでのクルージングも、積極的なマシンコントロールでスポーツライディングができるのもNMAXの大きな特徴になっている。便利で快適なコミューターと、スポーツ走行を楽しめるスクーターを1台で両立しているのがNMAXで、MAXシリーズらしさが軽量コンパクトな車体に凝縮していると思った。高速道路を使用しないと決めているなら、NMAXの軽い取りまわしとスムーズな走り、充実した装備に高い満足感が得られるはずだ。

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ディスク径は前後ともにφ230mm。タイヤは前後ともにダンロップSCOOT SMARTを装着。前後ともABSを装備している。

 

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後輪の空転兆候が検知されると、点火時期・燃料噴射量を統合制御して、滑らかな発進と走行をサポートするトラクションコントロールを装備。

 

NMAX(2023)主要諸元

・全長×全幅×全高:1935×740×1160mm
・ホイールベース:1340mm
・シート高:765mm
・車重:131kg
・エンジン:水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒124cc
・最高出力:12PS/8000rpm
・最大トルク:1.1kgf・m/6000rpm
・燃料タンク容量:7.1L
・変速機:Vベルト式無段/オートマチック
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-13、R=130/70-13
・価格:37万9500円

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/377339/

【試乗】NMAXは快適な乗り心地とスポーティな走りが高次元でバランス!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=377339

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