ダックス125がアメリカに進出! 横長テールランプ&砲弾型ウインカーなど日本仕様との違いを比較

ダックス125がアメリカに進出!  横長テールランプ&砲弾型ウインカーなど日本仕様との違いを比較

 CT70、またはトレイル70としてアメリカで長く愛されたダックスホンダ。日本国内では2023年にダックス125として復活していたが、2025年モデルとしてアメリカ市場への投入が発表された。

 
文/後藤秀之 Webikeプラス
 

レジャーバイクの先駆け「ダックスホンダ」

 1959年にホンダのアメリカ現地法人となるアメリカ・ホンダ・モーターが設立され、スーパーカブC100は「ホンダ50」としてアメリカでの販売を開始した。1962年には年間4万台まで販売台数を伸ばすと、「YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDA」というコピーで知られる「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」によってスーパーカブは西海岸を中心にアメリカで大きな成功を収めることとなった。それがどれほどのものだったかは、ザ・ビーチボーイズが「リトル・ホンダ」というスーパーカブをテーマにした楽曲をリリースしたことに象徴される。さらに、スーパーカブのエンジンを使って1961年に登場した初代モンキーZ100もアメリカへと輸出され、「ミニ・モト」と呼ばれる小型レジャーバイクの市場を作り出す。

 

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約20年を経てアメリカ市場に投入されるダックス125。アメリカではCT70が2003年まで製造が続けられており、ダックスの人気が非常に高い。

 

 1969年、スーパーカブ系のエンジンを鋼板プレス製バックボーンフレームに搭載し、ファットなオフロードパターンタイヤを組み合わせたされたレジャーバイク「ダックスホンダ」が発売された。このレジャーバイクは1970年から1980年代にかけて大人気となり、ホンダからはノーティダックスやマイティダックスといった派生モデルが登場。スズキのバンバンやホッパー、ヤマハのフォーゲル、カワサキのKV75など各メーカーからもレジャーバイクが発売された。

 ダックスホンダは国内向けにはST50とST70という2タイプが最初にラインナップされ、少し遅れてアップタイプのマフラーやフロントフェンダーを装備してオフロードテイストを強めたダックスホンダ ST50/ST70エクスポートがラインナップされた。オフロードテイストが好まれたアメリカ市場向けには、ST70エクスポートとほぼ同仕様のCT70が1969年から販売された。

 国内向けのダックスホンダは各部の変更を受けつつ1981年まで製造が続けられ、12V化されてホンダダックスとして1995年から1999年まで販売された。対するCT70は現地生産に移行されており、2003年まで製造が続けられた。

 

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初代モデルとなるダックスホンダ ST50/70は、スーパーカブ系のエンジンやミッションを流用して作られたレジャーバイクだ。

 

 

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アップマフラーとアップフェンダー備えたダックスホンダ ST50/70 エクスポートは、アメリカ仕様のCT70とほぼ同じ仕様だ。

 

 

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ノーティダックスは同じダックスの名を持つが、フレームやエンジンは全く異なる。

 

 
 
 

大ヒットモデルCT70をトリビュート

 アメリカにおけるミニ・モト市場は一定の大きさがあり、グロム、スーパーカブ、トレイル125(CT125ハンターカブ)、ナビ、モンキーが導入されている。そして2024年9月25日、このミニ・モトラインナップに、長い間人気を保ち続けたCT70のデザインを継承しつつ、現代の技術が投入されたダックス125が加わることが発表された。

 アメリ市場向けの新型ダックス125は、当然ではあるが基本的に日本で販売されているモデルがベース。コンパクトな車体を生み出すプレス製Tボーンフレームに、スーパーカブ由来の4ストローク空冷SOHC2バルブ124ccエンジンを搭載する。ミッションは自動遠心式クラッチ+4速ギアで、高性能なエンジンとの組み合わせで二人乗りでも55mph(約88km/h)での巡航が可能とされる。

 

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ダックスのプレス製Tボーンフレームは、その内部に燃料タンクや電装パーツなどを収めるためすっきりとしたルックスを産む。

 

 足回りはフロントが31mm径の倒立タイプ、リアはツインショックで、ブレーキはフロント220mm、リア190mm径のローターを使用したABS付きのディスクブレーキが装着される。ブラックアウトされたホイールのサイズは12インチで、フロント120/70、リア130/70幅のファットタイヤを組み合わせる。

 

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アメリカ仕様のダックス125は基本的に日本国内仕様がベースで、フロントフェンダーはダウンタイプのままとされている。

 

 

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ダックス125はCT70を思い起こさせるアップタイプのマフラーを装備しており、これはアメリカでの好意的に受け入れられるはずだ。

 

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正面から見ると、LEDタイプのヘッドライトと大きくアップしたハンドルが存在感を示す。

 

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リアビューで気になるのはテールライトの形状。国内用の丸型から六角形のデザインのものが装着される。

 

 

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珍しい真上からのショット。スリムなフレームに対して、幅のあるシートが乗り心地の良さを感じさせる。

 

日本国内仕様とどこが違う?

 日本仕様と異なる部分を見ていくと、まず最初にテールライトの形状の違いが目につく。国内仕様は丸型のLEDタイプを採用しているが、アメリカ仕様は六角形のLEDタイプとなっている。ウインカーの形状はよりシャープなデザインの砲弾型となり、アメリカでは装着が義務化されているサイドリフレクターがフロントフォークとリアフェンダーに取り付けられている。

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アメリカ仕様の左サイドビュー。サイドカバーのロゴが無く、サイドリフレクターが装着されている。

 

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国内仕様の左サイドビュー。アメリカ仕様はフレームに入る「DAX」ロゴの下に排気量を示す
「125」のロゴが入るが、国内仕様はそれが入らない。

 

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アメリカ仕様の右サイドビュー。ウインカーはよりシャープなデザインの砲弾型となり、シート下にはダックスフントのキャラクターが配置される。

 

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国内仕様の右サイドビュー。ダックスフントのキャラクターの下に「ST125」のロゴが入る。

 

アメリカ仕様の砲弾型ウインカー。125の数字は左右とも車名の下に移動している。

 

国内仕様のウインカーは丸みのある爆弾型と言える形状。フレームには車名ロゴのみ配置する。

 

アメリカ仕様の横長のテールランプはレブルシリーズと同じものと思われる。

 

国内仕様はモンキー125と共通の丸型のテールランプを採用している。

 

 フレームに入る車名のロゴは国内仕様は「DAX」のみとなるが、アメリカ仕様は「DAX」の下に「125」という排気量が入る。その代わりと言ってはなんだが、国内仕様では車体右側に入るダックスフントのキャラクターの下に「ST125」のロゴが入っているが、アメリカ仕様はキャラクターのみとなっている。メッキ仕上げの右サイドカバーは形状は同様だが、国内仕様には「125」のロゴが入るが、アメリカ仕様には入っていない。カラーはパールグリッタリングブルーとパールグレーの2色で、2024年10月から4199ドルで販売が開始される。

 

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国内仕様のダックス125。アメリカ仕様もほぼ同様となるようなので、国内仕様の各部をあらためて見ていく。

 

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丸型のメーターはデジタル表示で、燃料計も装備される。インジケーター類は下側にまとめられており、シンプルで見やすいデザインだ。

 

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プレス製のTボーンフレームはダックスの伝統。ダックス125には完全新設計のものが使用されている。

 

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国内仕様のテールライトは丸型が採用される。また、サイドリフレクターは装着されておらず、これらはアメリカ仕様との大きな違いだ。

 

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エンジンは4ストローク空冷SOHC2バルブで、国内仕様は最高出力6.9kW(9.4PS)/7000rpm、最大トルク11N・m(1.1kgm)/5000rpmとなる。

 

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シートをフリップアップすることで、燃料タンクや電装部品にアクセスすることができる。国内仕様の燃料タンク容量は3.8Lとなる。

 

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フロントフォークは31mm径の倒立タイプで、ホイールは12インチ。ブレーキはABS付きのディスクタイプが装着される。

 

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リアショックはツインタイプで、ブレーキはシングルポットキャリパーと190mm径ローターを組み合わせたディスクタイプだ。

 

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アメリカ仕様のカラーは国内仕様と同じパールグリッターリングブルーと、このパールグレーの2色がラインナップされる。

 

 ダックス125は日本国内での原付二種人気もあり、好調な販売を続けている。新たに投入されるアメリカにおいても、1970年代から長く愛され続けたCT70のデザインを継承しつつ現代の交通事情に対応したこのダックス125は、ミニ・モト市場を活性化することは間違いないだろう。

 

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アメリカ向けホンダのミニ・モトラインナップ。左からモンキー、グロム、トレイル125(CT125ハンターカブ)、ダックス125、ナビ。

 

 

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新たにアメリカに投入されるダックス125は、1970年代のように西海岸でブームを起こすことができるだろうか?

 

ダックス125(2025・アメリカ仕様)

・全長×全幅×全高:69.3×30.0×40.1in.

・ホイールベース:47.2in.

・シート高:30.6in.

・車両重量:236lbs.

・エジンン:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒123.9cc

・燃料タンク容量:1.0gal.

・変速機:4段リターン

・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク

・タイヤ:F=120/70-12、R=130/70-12
・価格:4199ドル

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/408844/

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