横に伸びるバス路線を縦に進むだと!? この乗りバスがダイナミックすぎた!!

横に伸びるバス路線を縦に進むだと!? この乗りバスがダイナミックすぎた!!

 「縦がまかり通るなら横だって有り得る」……またその逆も然りなんじゃないの? そんな歪んだ出来心から決まった乗りバスの話。

文・写真:中山修一
(横を縦に進む乗りバスの写真つき記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

■九州で横のものを縦に進む

JR久大本線の日田駅。HとTの間に人が直立して初めて成立する黄色いモニュメントがまぶしい
JR久大本線の日田駅。HとTの間に人が直立して初めて成立する黄色いモニュメントがまぶしい

 以前、愛知県の尾張・三河地方の、縦向きに線路がいっぱい伸びているところを、路線バス等を使って横向きに移動できないかと考えて、やってみたら行けないこともなかった。

 その日は大分県の日田にいた。ここには久留米(福岡県)〜大分(大分県)の間約142kmを、九州を横切る形でJR久大本線が通っており、日田はやや久留米寄りの内陸部にある、規模の大きな途中駅だ。

 当日はその日田を出発して、同日中に熊本まで向かう予定。行き先は確定していたものの、どうやって行くかは特に決めていなかった。

 セオリー通りに向かうなら、久大本線で久留米に出て、そこから鹿児島本線なり九州新幹線なりに乗り換えて熊本まで出ればOK。

日田→熊本なら普通はJR線を使うだろうけど……
日田→熊本なら普通はJR線を使うだろうけど……

 久大本線を利用する場合、いったん横向きに移動するわけであるが、ここでふと、以前の尾張・三河地方を思い出して、よせばいいのに余計なことを考えだした。前回と逆、「これ縦に行けねえかな?」と。

■縦に行きたきゃバスしかない!

 久大本線の日田駅から、直線距離で45kmほど南下すると、同じく九州を横切るように線路を通した、大分〜熊本間148kmを結ぶJR豊肥本線が並行して通っている。

 日田駅に最も近い豊肥本線の主要駅と言えるのが、九州の超有名観光地の一つ・阿蘇駅だ。この2点間を縦に繋ぐ公共交通機関……自ずとバスになると思うが、マップをじっくり眺めていると、いやコレあるでしょ? という気配が漂ってくる。

 しかし見るからに山深そうな場所を通るゆえ、ローカル路線バスであるのは確実と見えて、乗り遅れたり乗り間違えたりすると大変。

 目を皿にして周辺のバスルートを研究した結果、「アンタみたいなのにお似合いだよ」と手ぐすね引くかのように、日田から縦に進むバスが1本だけ見つかった。

■全てのカギを握るバス

 スタート地点となるのは、JR日田駅のほぼ向かいにある日田バスターミナル。このターミナルを始発に、地元の日田バスが運行する「杖立線」が出ている。

日田駅向かいの日田バスターミナルがスタート地点
日田駅向かいの日田バスターミナルがスタート地点

 縦に進むなら杖立線が事実上ワンアンドオンリー。まずはこれに乗車する目論見であるが、予想通り絵に描いたようなローカル路線バスで、本数の少なさが最大のネック。

 平日4本・日祝3本のダイヤが組まれており、当日は日曜日。杖立線の初バスにあたる9:25発を逃すと、次は14:05まで便がない。ゆえに9:25をつかまえるのが実質マストだ。

 バスターミナル内に掲示されていた、杖立線の乗車ガイドを見ると、小型路線車とマイクロバスの写真が添えられていて、小さい車が来るのかな? と思っていたら、やって来たのは中型路線車のいすゞエルガミオだった。

日田バス 杖立線で終点まで向かう
日田バス 杖立線で終点まで向かう

 日田を出発して、途中でサッポロビール九州日田工場を経由しながら、59分で終点の杖立に着いた。運賃は1,050円。杖立は熊本県に位置しているため、とどのつまり日田バス 杖立線は、県境越えまでやってくれる貴重な存在でもある。

次ページは : ■その先に続くバスって?

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