■まずは色々やってみることは重要
同局のこれらの施策は、まだまだな点や批判を招きそうなものがあるのも事実だ。あくまでも要項を見ただけのとらえ方の問題だということをお断りしておくが、例えば住宅手当が5年間しか支給されないように感じるのは不安要素ではないだろうか。
横浜市周辺ですでに居住している方はともかく、これから就職して住もうという方には横浜の家賃は高額に見えるだろう。5年間はいいが、その後はどうするのかという不安は付きまとう。
女性枠については表立って文句を言う人は少ないだろうが、女性運転士の数は増えている現状で、女性だけを優遇とみなされる可能性もある。男女平等が広くうたわれる昨今の社会情勢で、女性差別はダメだけど優遇なら見逃されると感じる声はある。
女性が働きやすい職場をつくることが大切だが、入り口の段階で差別することがまかり通っていることに対する批判は声なき声として少なからず出てくるだろう。ただし女性運転士は一般的に利用者の評判が良いのが事実なのは付記しておく。
しかし、そうした問題や不安点は応募者にとって重要なのであり、利用者には関係がない。要は応募時に聞けば済むだけの話なのだ。それで解決できればいい条件だろうし、解消されなければ問題点として残ることになる。それでも切羽詰まる運転士不足問題を解決しようと色々な施策を打ち出せるのは、公営企業としては勇気が必要で実施してみて次年度にフィードバックすることが大切だろう。
これで運転士が増えれば他局でも成功事例として採用が増え、遅れて民間の事業者も右へならえが進むことになろう。
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