そろそろ冬用タイヤへ履き替えるシーズン。次にサマータイヤへ戻す時期まで、大切に保管しておきたいところですが、劣化しやすいタイヤは、保管方法には注意が必要。あまり知られていないのが「置き方」です。タイヤの寿命をできるだけ伸ばすために覚えておきたい、タイヤを保管する際の理想的な置き方をご紹介します。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_tkyszk/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】外したタイヤの置き方って縦?それとも横?? タイヤの保管方法の正解とは??(8枚)画像ギャラリー外したタイヤは、水できれいに洗おう
まずは、外したタイヤとホイールをきれいに水洗いして泥や油脂などを落とします。タイヤ・ホイールには、走行によって、ブレーキダストや砂埃などの汚れが付着しています。外すことで、普段は手が届きにくい部分を掃除することが可能となるため、カーシャンプーなどを使いながら、汚れを念入りに洗い落としましょう。
きれいに洗ったら水分がなくなるまでタイヤを乾燥させます。トレッド面に刺さった石などの異物もできるだけ取り除いておきましょう。穴が開いている場合には専門店に見てもらうようにしてください。
このとき、タイヤワックス等は不要。保管する際にはどうしてもタイヤ同士が接触しますが、接触している面のワックスが変質してしまう可能性があるからです。施工したタイヤワックスが残っている場合も、きれいに落とすようにしてください。
また、タイヤへの負担を低減するため、タイヤ空気圧を下げておくこともポイント。空気圧を指定の半分程度に下げておくことが望ましいです。その際、バルブの先端を保護するため、バルブキャップはつけるようにしてください。
保管は屋内が望ましいが、屋外ならできる限り日光が当たらない場所で
しまい込みの準備ができたら、いよいよ保管となりますが、主成分がゴムでできているタイヤは、直射日光も雨も苦手。できれば涼しい屋内で保管するのが理想ですが、屋外に置く場合には、タイヤカバー等を掛けて直射日光を避け、エアコンの室外機や熱源となるものの近くを避けて保管をしましょう。
また、地面に直置きをしてしまうと、熱気がこもってカビが発生したり、地面の熱が伝わって弱いサイドウォールが劣化してしまうことを避けるため、地面に直置きにせず、パレットなどを利用してかさ上げしておくとベストです。
積み方は「横積み」が正解!!
そして、タイヤの積み方は、ホイールがついているのならば、横積み(横向きに重ねる)が正解。国内最大手タイヤメーカーのブリヂストンも、空気圧を通常の半分程度に調整したうえで、ホイールを付けたまま、省スペースで安定感がある「横積み(平積み)」で保管することを推奨しています。TOYOタイヤ、ダンロップ、横浜ゴム、ミシュランなども同様です。
ただ、ホイールがついていないタイヤ単体を保管する場合は、サイドウォールに負荷がかかってしまうのを避けるため、タイヤラックなどを利用して縦置きしておくのがよいそう。ただその場合も、トレッドの一ヵ所に荷重がかかって変形してしまわないよう、たまに向きを変えるのがよいそうです。
◆ ◆ ◆
保管していたタイヤを装着する際には、適正空気圧に戻すこともお忘れなく。自身でタイヤ交換をされるのであれば、エアコンプレッサーなどの空気入れや空気圧計の用意は必須となります。自宅にエアコンプレッサーがない場合は、ガソリンスタンドなどでタイヤに空気圧を補充してから装着するにしましょう。
やっておくべきことがたくさんあるタイヤ交換ですが、次に使うときまでよい状態を維持するため、怠らないようにしましょう。
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