JRグループでは最も長く直営バス事業を維持したJR四国の平成初期を振り返る

JRグループでは最も長く直営バス事業を維持したJR四国の平成初期を振り返る

 現在はジェイアール四国バスとして独立している四国旅客鉄道(JR四国)は、1987(昭和62)年の国鉄分割民営化から2004(平成16)年3月まで、直営でバス事業を行っていた。

 国鉄時代から四国内全4県に拠点を有してバス事業を展開したが、徐々に高速バスへと軸足を移し、経営スタイルを変えてきた。今回は国鉄時代からの一般路線バス網の多くを残しつつ、高速バスへの参入が相次いでいた時代の様子を紹介しよう。

(記事の内容は、2026年3月現在のものです)
執筆・写真/石鎚 翼
※2026年3月発売《バスマガジンvol.132》『平成初期のバスを振り返る』より

■旧国鉄から広範なバス路線網と特徴ある車両たちを引き継いだ

いすゞ BU10 国鉄時代に導入された一般路線用2ドア車で、路線バス用BU系のシャーシに日野車体製ボディを架装したもの。この時代では国鉄バスだけが採用した組み合わせであった
いすゞ BU10 国鉄時代に導入された一般路線用2ドア車で、路線バス用BU系のシャーシに日野車体製ボディを架装したもの。この時代では国鉄バスだけが採用した組み合わせであった

 JR四国が発足したころは、四国全県に一般路線を展開し、車両の配置拠点も数多く存在した。

 しかし、その多くが不採算路線であり、本業の鉄道における経営も厳しさが予想される中、一般路線の整理・廃止と高速バス、貸切バス事業の強化が図られた。

 高速バスは1988(昭和63)年の瀬戸大橋開通を契機として、関西に加え東京方面への乗り入れも実現した。

 一方、四国島内も高速道路の延伸に伴い、各県庁所在地間の高速バス網が発達した。鉄道路線と直接競合する路線については、鉄道からバスに移転した需要をJR四国内で受け止めるという使命を帯びていたと言える。

 貸切バス事業は、1995(平成7)年に香川県交通の貸切バス事業を譲受したり、華やかなスーパーハイデッカーバスを積極的に導入するなど、路線バスに代わる収益分野として期待された。

 しかしその後の環境変化に即し、2017(平成29年)年には観光貸切バス事業から撤退した。現在は一般路線2路線の運行を維持するものの、ほぼ高速バスに特化した事業展開と言ってよいかもしれない。

いすゞ BU15KP JR四国発足時ほぼ最古参だった車両で、富士重工3B型車体を架装した貸切車。塗装はJRグループの新塗装とされている。路線バスモデルのシャーシであるが高出力エンジンを採用
いすゞ BU15KP JR四国発足時ほぼ最古参だった車両で、富士重工3B型車体を架装した貸切車。塗装はJRグループの新塗装とされている。路線バスモデルのシャーシであるが高出力エンジンを採用

 車両は国鉄時代に四国島内ではいすゞ製車両を中心に採用したことから、分割民営化後もいすゞ車が中心の陣容であった。しかし高速バス部門では三菱車が積極的に採用され、現在まで続いている。

 JR四国の発足後、一般路線部門は縮小一辺倒で、車両の代替も中古バスが充てられた。

 国鉄時代から自社発注一般路線バス用車両の仕様は前中扉を中心としたが、松山高知急行線をはじめ、トップドア車も使用された。

 国鉄期に投入された車両には、いすゞ製シャーシに日野製車体を架装した、国鉄の特徴とも言えた組み合わせをはじめ、特徴的な車両も多く見られた。

 塗装は、一般路線車は国鉄時代からの塗装を主に踏襲する一方、トップドア一般路線車や高速バス・貸切バス用車両は鉄道部門の波動用キハ58形に採用された、いわゆるレインボー塗装に類似したものを採用した。

 当時の主力一般路線は、四国山地を横断して松山と高知を結ぶ松山高知急行線で、特急・急行・普通便が設定されていた。

 間違いなくJR四国の基幹路線と言えたが、松山・高知間に高速バスの運行が開始されると、ローカル路線に変容し、現在は松山~久万高原間のみが残る。

 今回紹介する車両たちは四国各県に路線バス網を展開、国鉄から承継いた車両も多く在籍していたころの表情である。

【画像ギャラリー】旧国鉄から引き継いだ広い路線網と特徴ある車両が持ち味だった四国旅客鉄道の平成初期(10枚)画像ギャラリー

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