2年に1回開催される世界最大の国際鉄道見本市、「イノトランス」が2026年9月22日、開幕した。今年で30年目という節目の年を迎えた同イベントは、例年と同じくベルリン市内の見本市会場で開催されている。
文・写真:橋爪智之
■ホンモノが並ぶ業界関係者向けイベント
この見本市の最大の見どころは、何といっても鉄道の本線から直接引き込まれた線路によって、実物の車両を展示できることで、毎回100両以上の最新車両が各メーカーから持ち込まれ、各国のユーザーや関係者にお披露目される。
また鉄道がメインの見本市ではあるが、バスの展示も行われており、その年ごとの最新のバス車両も見ることができる。
このように、実物の車両が持ち込まれるのだから、当然会場はとてつもなく広い。展示会場そのものだけで16万平方メートル、バスが展示される屋外庭園などのスペースを含めると19万平方メートルに達する。
西側を除く東南北3カ所の入口間を単純に歩いても数十分は掛かる。東京ビッグサイトや幕張メッセと比較しても、桁違いの大きさを誇るのだ。
そんなわけで、歩いて回るのはなかなか大変。メーカーなどの商談で来ている人はさておき、我々のようなプレス関係者は、会場内で行われるイベントや記者会見へと連日歩き回り、運動靴がないと1日で足腰に影響が出てくる。
取材先の時間帯が重なっていると、会場内を走り回る羽目にも……そんな広大な会場で、訪問客の足として運行されているのがシャトルバスだ。
■会場の足・シャトルバス
会場内に4路線も運行されており、それぞれ緑、赤、青、グレーで色分けされている。使われているのは、メルセデス製のいわゆるミニバスで、着席定員は11名ほど(車種によって少し異なる)。
地元ベルリン交通連合で使われている車両で、普段は地下鉄やトラムの末端区間から、さらに近隣の市町村へ向けて運転されているフィーダー輸送用のバスを使っている。
来場者は誰でも使える無料のサービスなので、せっかくだから利用してみた。ベルリンメッセは、北側にメインエントランスがあり、ここはSバーン(近郊電車)のメッセ駅から徒歩5分ほど、高速路線バスが発着するベルリンバスターミナルも隣接している。
ここが一番大きい出入口となるが、他に東側に一つ、南側にもう一つ別のエントランスがある。南側は、別のSバーンの駅が隣接していて、利便性はこちらの方が良い。
4つある路線のうち、緑と赤は、それぞれ南北を結んでいるが、東西それぞれに展示会場が並行して建っており、緑路線は北側の東棟側を起点とし、途中で西棟側へ移り、南側の西棟側が終点。
一方の赤路線はその逆で北西からスタートし、南東が終点となる。2つの路線は対称となっていて、途中でクロスする感じだ。ちょうど交差する部分にプレスセンターがあるため、私たちのような報道陣には非常にありがたい存在だ。
■ちゃんと役に立つの?
展示会場から中庭へ出たところに停留所があり、バスが停車している。小人数しか乗れない小型車だが、低床式なので車椅子でも乗車できる。
朝8時から19時までの間、概ね5〜8分間隔で運行されており、それほど待たなくても乗車できる。北東の停留所を発車すると、しばらく展示会場の建物と並走。
作業用の車や歩行者が多数いるので、速度は非常に遅いが、それでも徒歩より格段に早く交差点となるプレスセンターに到着。多くの人が乗りこんできて、車内は立客が出るほどの混雑となった。
今度はそのまま西側へ向かうと、途中で坂道を下ってトンネルの中へ。トラクターやコンテナなどが並ぶ、舞台裏のバックヤードのようなトンネルを進んで行くと、すぐに終点の南西停留所に到着。
最新バスの展示を眺めるのも面白いが、展示会場構内だけを走り来場者を陰で支えるシャトルバスもまた、巨大なイベントにおける重要な脇役の一つなのだ。
【画像ギャラリー】イベント会場で威力を発揮するシャトルバス(7枚)画像ギャラリー













