フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者のバス運転士日誌は、運行管理者基礎講習(旅客)を受講したお話である。いったい何のつもりで誰の指示で受講したのか、その目的とは?そして受講して得たものとは?バス事業の大変さを理解した受講記である。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■運行管理者とは?
記者はフジエクスプレスで臨時運転士として運行を行って1年半が経過するが、運行の際には出庫前と入庫後に必ず点呼を受ける。点呼とは単に会社が出勤の確認をするためだけではなく、アルコール検査を含む健康状態や心理状態を確認し、勤務時間を記録し、安全な旅客輸送ができるようにするための最終チェックでもある。
点呼を執行するのは運行管理者であり、国家資格を有し事業者が有資格者から選任した者が行う。フジエクスプレスの中では運行管理者は運転士の上司的な立場であるとともに、種々の報告や相談を行う窓口でもある。
バス事業者は全体として運転士も不足しているが、運行管理者も不足傾向にあるので補助者を選任して運行管理者の職務の一部をその監督の下で行わせることができる。運行管理者は国家資格さえ持っていれば運転免許とは無関係なので、免許を持っていなくても選任することはできる。
フジエクスプレスではいわゆる「運転士上がり」でないと運行管理者には選任しないようだ。路線のことを知り尽くし、迂回や荒天時の指示等を行うには当該路線を実際に運行できる者でないと適切な指示はできないという思想からだと思われる。それは確かに理想なのだが、実際にそれを実現している事業者ばかりではないのも事実だ。
その点においてフジエクスプレスでは理想を実現していると言える。実際に、運行中に何かあった際の予備運転士には当日出勤の運行管理者が指定され、車両交換や遅延の際の差し込み運行で運行管理者が予備車を運転して運行に就くことは珍しくない。
■補助者は運行管理者への登竜門?
さて、その運行管理者になるためには国家試験を受験して合格すればよいのだが、だれでもというわけにはいかず受験資格がある。いろいろな制限があるのだが、法定講習である運行管理者基礎講習を受講して修了するという手がある。
受講して修了した者は運行管理者の国家試験受験資格が得られるとともに、修了者を運行管理者の補助者として選任することができる。よって、実務経験がなくても受講して修了すれば運行管理者の国家試験を受験して合格すれば資格者証を得ることができ、事業者に運行管理者として選任されれば運行管理者になることができる。
法律上はこういう仕組みになっているのだが、では記者は運行管理者を目指しているのかと言えばそうではない。補助者として選任されることを狙っているのかと言えばそれも違う。運行管理者国家試験を受験し資格者証を得ることはやっても良いと考えているが、実は講習の内容がものすごい量で、運行管理者としての基礎的な知識を得ることができるというのが受講した目的である。
■eラーニングという選択
従前の講習は一定の会場に集まり、講師がテキストをもとに座学で講習するという形式だけだったが、現在ではeラーニングで受講することができる。どちらを選択しても18コマの講習を受講しなければならないのは同じだ。
対面での講習は3日間があてられ、1日みっちり6コマの講習を受けなければならない。1コマは概ね1時間なので合計で約18時間だ。eラーニングは通信環境さえあればPCでもタブレットでもスマホでも視聴して受講することが可能なので場所を選ばない他、24時間好きな時間に受講できるので、自分のライフスタイルに合わせられる利点がある。
しかし1日に受講できる最大コマ数は6コマに制限されているので、最短でも3日間は必要なのは対面での講習と同じだ。記者はeラーニングを選択して受講した。
すべてWEB上で手続きが完了し、受講料の支払いもオンラインで済むのでどこかに出向いて手続きをする必要はない。テキストは受講開始日が近づくと宅配便で送られてくる。しかし届いたテキストの分量におどろいた。全部合わせると結構な分厚さだ。




