■エアロキングの状態
休憩中に運転士に話を聞く機会があったのだが、同社のエアロキングは機関の状態も車体の状態もよく、お世辞抜きでさすが国産車だと話してくれたのは印象的だった。以前からダブルデッカー車の弱点だったエアコンは相変わらず弱いらしいのだが、そもそもオープントップバスに改造してあるので、さほど重要ではないようだ。
取材した日はたまたま雨が降っていて気温が低かったことから、エアコンは比較的効いていたのは幸いした。同車はマニュアル車だが、やはり2階席で食事をしている乗客を乗せて乗り心地に気を使いながら走るのであればマニュアル車でないと難しいとも語ってくれた。最新のAT車はそれほどでもないのだろが、意図しない減速を最も嫌うのはどの運転士も同じだと共感した。
■ランチメニュー後半戦
さて、台場を再スタートして豊洲方向に向かう。ランチメニュー後半戦はロースとポーク~香草ソース~からスタートだ。豚肉の塊が皿に乗っているが、この見た目だと多少の硬さは仕方がないと思っていた。しかし、スッとナイフが通り思い通りに切れていく柔らかさには閉口した。
レストランバスの料理は、下ごしらえこそ地上の厨房で長時間を費やしてしているが、最後の仕上げはエアロキング1階の厨房で電気コンロを用いて調理している。それにしても肉の柔らかさは料理の印象を左右する。最後に登場するメインだからこそ、重要な印象につながるのだ。
キャラメルティラミスとフルーツ、それに選択したミルクティでランチコースは最後だ。バスはその間に晴海通りを豊洲から勝どき橋に抜け、銀座界隈に入る。築地本願寺から歌舞伎座を通過して有楽町から日比谷へ抜けると東京駅は間もなくだ。
ナビゲーター(ガイド)やシェフの挨拶が終わるころには、東京駅丸の内口を右手に見て丸ビルの前に停車した。これですべての乗車と観光と食事は終了した。
■ゆっくり走るエアロキング
エアロキングは今となっては、余生ともいうべき第二の人生を送っている車両が多い。かつては高速道路をガンガン走っていたダブルデッカー車が、都内をゆったりとゆっくり、食事をしながら走り抜ける優雅さは高速バス時代にはなかった乗り心地だ。
大排気量時代の二階建てバスが、静かに優雅に走るのはそれはそれで新しい走りだろう。リクライニングシートではなく、テーブルで食事をしながらエンジン音に耳を傾けるのもぜいたくなバスの味わい方ではないだろうか。
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