今や国産の二階建てバスはすでに製造していないので、乗ることはできるが高速バスとして爆走することはほぼない。しかし、余生を現役として活躍しているバスも少なからず存在する。久しぶりにエアロキングに乗車したくなったので、ゆっくり、ゆったり食事を楽しむウィラーのレストランバスに乗車したのでレポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■レストランバス
国産のダブルデッカー車であった三菱ふそうのエアロキングはすでに製造を終了していて、新車として納車されることはない。よって高速バス等でバリバリ現役の姿を見ることもほとんどない。現役の車両は退役間近というのが実情だ。
しかし、状態の良いエアロキングは整備と改造を施されて、オープントップの二階建てバスとして走る姿はまだまだ見ることは可能だし、乗ることもできる。ウィラーはエアロキングをオープントップのレストランバスとして改造して、大切に維持している事業者だ。
1階席を厨房として、2階席のみを客室としたぜいたくなつくりだ。広い2階席とはいえ、配膳設備やガイドの座席、それに食事をするためのテーブル席を配しているのだから定員は少ない。一般の方には優雅な二階建てのレストランバスに見えるだろうが、バスマニアには往年のエアロキングの姿が重なり、現役でいてくれていることに感動する。
■初めてのランチ
ウィラーのレストランバスは東京駅の丸の内側から出発する。概ねランチとディナーの2コースが設定され、コースやメニューの内容により料金は異なる。ディナーコースは3時間程度のものが多かったような気がするが、今回は昼間のエアロキングを見るためにランチコースを予約した。
ランチコースは2時間30分程度で東京の主要地を車窓観光でまわり、台場で休憩して東京駅に戻るというのが定番コースだ。東京在住でどこに何があるのかを知っている方でも、全高3.8mのダブルデッカー車から見る景色は感動ものだ。食事とともに景色を堪能するにはよい眺めの特等席だ。
■ランチメニュー前半戦
ランチメニューとはいえ、コース料理なので出発前から前菜がすでにセットされている。ドリンクは別料金だ。しかし前菜の段階ですでにお酒が欲しくなるような見た目だ。
エアロキングは当時の余裕のあるエンジン排気量にモノを言わせて、東京駅を出発する。前菜が終わると冷製のカボチャのスープと生ハムのサラダが登場する。冷製スープは好みが分かれると思うが、なかなか味わい深くて美味しかった。サラダはシャキシャキの野菜とドレッシングがよく合う。
都内での観光バスの定番ともいえる日本の中枢部を巡りながら東京タワーの下にやってきた。日比谷通りの芝公園駅あたりである。あいにくの雨でオープントップにはならず、天井は閉められたままだが、幸いにも透明なので東京タワーはよく見える。地上からでも芝公園からの東京タワーは美しいことで有名だ。
東京タワーの周囲をぐるりと回り、グルテンフリーパスタ 挽肉と茄子のトマトソース和えが出てきた。グルテンフリーと聞くと味に対して身構えてしまうが、おそらく本日のメニューの中で最も美味しかったものの一つがこれだ。当然ながら小麦粉は使用しておらず、どうしてこう美味しくできたのかと不思議でならない逸品だった。
首都高速道路に入り、一路レインボーブリッジに向かう。一般道に降りればそこは台場だ。台場にあるウィラーのバス停に停車して休憩時間だ。エアロキングには1階にトイレはあり利用できるが、台場で休憩中に散策するついでに済ませることもできる。







