空港へ行くと、大抵は各地を結ぶ路線バスや高速バスが出入りしている。所によっては物凄く遠い所まで行くバスが混じっていたりするが、北海道の玄関口である新千歳空港の場合はどうだろうか。
文・写真:中山修一
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■日本屈指の大型ターミナル
札幌から最短距離で約44km。北海道千歳市に住所を置く新千歳空港は1988年7月に開港した。長さ3,000mの滑走路を2本持ち、1日およそ380便の国内線と、約40便の国際線が発着している。
2022年度のデータに基づくと、年間旅客数では羽田、成田、福岡に続く第4位(約1,788万人)の座にあって、北海道内に留まらず全国屈指の大空港に数えられる。
TOP3の他空港と同様、ターミナルビルに鉄道駅が直結しているのも特徴の一つ。1時間に約5本のペースで電車があり、札幌・小樽方面に乗り換えなしでアクセスできる。
国内線ターミナルではターミナルビルの前を通る道沿いに、1〜7・12〜14番(JAL側)、20〜29番(ANA側)の要領で、航空会社別にエリア分けされてバス停留所が置かれている。国際線のバス停番号は84〜92番で、合わせて29箇所だ。
■意外と少ない? 新千歳空港発の路線バス
利用者の大変多い空港ということで、空港連絡バスや近場を結ぶ路線バスの数がそれなりに出ている印象を受けるが、実際のところどうなっているのか、少し掘り下げてみよう。
まずは高速道路を使わない一般路線バスから調べてみると、札幌方面へ行く一般路線バスはなく、各方面ざっくりエリア分けして主要9路線ほどが運行しているようだ。空港の規模の割に路線バスの数は意外と少ない気がする。
この主要9路線の中で最も長い距離を走る路線バスはどれか……ニセコバスによる、新千歳空港〜ニセコ・ルスツ間を結ぶ都市間バスが最初の候補に見つかった。
こちらを距離にすると110kmくらいになる。高速を通らないバスではこれが最長のようだが、スキーバスであるため冬季のみの季節運行という条件がつく。
次位は道南バスの新千歳空港〜穂別出張所までの約60kmで、1日2便の運行。なおこの路線は予約制となっている。
期間限定や予約制ではない“普通”の路線バスとしては、どうやら道南バスの新千歳空港〜緑泉郷間を結ぶ、緑泉郷空港線の約54kmが最長のようだ。
以下、Fビレッジ(35km)、支笏湖(30km)、厚真(27km)、苫小牧駅(24km)、長都駅(9km)と続く。
ほか空港から約6km離れたJR千歳駅前へ向かう路線バスも出ている。ただし、どのバスも千歳駅前は終点・始点ではなく途中の停留所にあたる。