路線バスの車両は小型・中型・大型に分けられるが、この中で「大型」になるための基準や条件はどこにあるだろうか。
文・写真:中山修一
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■大型路線車というクルマ
一般路線バスに広く使われている車両の中で、大型の枠組みに入るバスのことを、よく「大型バス」や「大型路線バス」、「大型路線車」のような総称で呼んで区別している。
法律でも大型バスの条件が決まっており、それに則ると全長9m以上の車体サイズ、または旅客席数50名以上のキャパシティを持ったバス用の車両なら全て「大型バス」になる。
「大型バス」の登場は意外と古く、1940年代終わり〜50年代初頭には、ボンネットバス/箱型のキャブオーバーバスともに、全長9.0mを超える車種が既に作られ始めている。
最近の一般路線バス用の車両に絞ると、全長9m台の車種がほとんど製造されていないのもあり、長さ10m以上の車を「大型路線車」として指すことが多い。幅は2.4〜2.49mの間で、2.50mに達するものは基本的にない。
■最も長くて何メートル?
そんな全長10m以上の最近の大型路線車のうち、最も長いのは何メートルだろうか。まず、車体を2つ繋げたような連接バスを見ると全長17.99mあり、スペック的にはこれが日本最長の大型路線車になる。
ただし、連接バスに関しては「連接バス」の独立したジャンルに属し、普通の大型路線車と分けて語られる傾向が強いため、ここでは割り切って対象外にしてしまおう。
その場合、全長約11.1〜11.45mの大型路線車が最長クラスに該当する。それより短いタイプが10.25〜10.9mといった具合だ。
それぞれ車種が全く違うのかと言えばそうでもなく、同じメーカー・同じ車種の中で、目的に応じて長さを選べるようになっているのがポイントだ。
車体の長短は、前輪と後輪の軸の間・いわゆるホイールベースを調整して決める。メーカーによって寸法に細かい差はあるものの、ホイールベース4.8〜6mまでの開きがある。
ホイールベースが6mの車なら全長11mクラスと考えて良く、ホイールベース5.5mを切ると、大抵の場合は全長10m台に収まる。