関東の奥座敷、日光鬼怒川は東京からの場合は東武鉄道でのアクセスが古くから便利。バスも移動手段としてグループ会社の東北急行バスは東京発、東武バス日光は横浜、羽田空港発として運行開始し、直行で日光連山の景色を楽しむことができた。
●東武バス日光/京浜急行バス(相手会社)
横浜駅、羽田空港―日光、鬼怒川温泉
(横浜駅、羽田空港―下今市駅、東武日光駅、東武ワールドスクエア駅、鬼怒川温泉駅)
撮影・乗車年月:2019年9月
(記事の内容は、2023年3月現在のものです)
執筆・写真/石川正臣
※2023年3月発売《バスマガジンvol.118》『思い出の長距離バス』より
■東武鉄道の看板・日光鬼怒川に首都圏からバスが進出した
東京〜日光間の公共の足として、新たなるルートが登場した。観光地中心の東武バス日光にとっては唯一の長距離路線となる直行のバス便だ。
東武バスは首都圏近郊、栃木、群馬の観光地などに広いエリアを持ち、高度成長期には高速道路を使わない長距離バスの運行も東京から温泉地中心に運行が盛んだった。
1980年代後半になると東京から地方への夜行バス開業が続いた他社とは違い、昼行便に早くから着手していた。
1990年代後半より、鉄道部門と分離してバス部門は首都圏近郊と日光地区を除いて主にグループ会社へと譲渡されたが、その後も長距離路線は開業が盛んで、東武最大の観光地と言っても過言でない日光鬼怒川への路線が、横浜、羽田空港から東武バス日光により開業したのだった。
■帰宅時刻の横浜、そして羽田空港の混雑を後にして出発!!
木更津行の高速バスや、横浜市営の路線バスに囲まれ、横浜駅から発車した。首都高速通称横羽線を北上、鶴見川を渡り多摩川を渡ると東京都となり、広がる広い空港に数多くの飛行機が見えた。
羽田空港第3、第2、第1の順にターミナルに着車。そして目前では東武バスセントラルの北千住行きのバスに乗り込む長い列が車内へと吸い込まれていく。夕方の最も混雑する時間帯だ。
湾岸線は夕方の道路混雑、同時に羽田を発車した北千住行きと並走し、あちらの乗客と目線が合う。旅の帰途で疲れている人が多いように感じられた。
葛西ジャンクションで左へ、中央環状線に入り右手に新中川、左手は広い荒川放水路。2本の川の間に陽は落ち、ビル、スカイツリーは一段と美しさを増す。反対にあの展望台から流れ動く高速道路を眺めている人もいるだろう。