■位置の決め手は乗り方にアリ!?
続いて、側面行先表示器を取り付ける位置に法則性はあるだろうか。ごく初期の表示器付き路線バス車両では、後ろの扉(中扉)の真上に取り付けたものが結構見られる。
とりわけ古い時代の表示器は機械部分が大きく奥行もあったため、邪魔にならない場所はどこか? となった場合、ドアの上が好都合だったのかもしれない。ただしこのレイアウトの路線バス車両は比較的早い段階で作られなくなった。
上記のタイプに当てはまらない車両はどうだったのか……実は、もし入口が後ろドアなら後ろドアの近く、前が入口なら前ドアの隣といった具合に、そのバスの乗り方によって、側面行先表示器の位置も変わってくる。
ちょっとしたことながら、乗車する時に目線を大きく動かさず行先の確認が取れる、利用者側への配慮がなされているわけだ。
中には、「前乗り後降り」と「後乗り前降り」両方の路線を持っているバス事業者もある。
その場合、前ドアと後ドア(中扉)のほぼ中間地点に側面表示器を置く“間を取った”タイプで、どちらも対応可能にしている。
ただし、入口に隣接して行先表示を取り付けている車両は、各バス事業者が自社の路線向けに新車で購入した場合に限られる。
元々前乗り仕様だった車両を中古で仕入れ、後乗り路線で使うケースにおいては、入口から離れた位置(出口付近)に側面表示器があってもご愛嬌だ。
普段目にするにせよ「凝視」までは行かないのが側面表示器だ。正確な取付位置など意識すらしないかもしれないが、よくよく見てみればバリエーションに富んでいて車両や事業者ごとに違いを楽しめたりする。
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