■令和5年度 自動車運転(バス)【養成枠】
養成枠での採用予定は15名程度で年齢制限は40歳未満と若干の違いはあるが、普通免許を保有していれば応募できる。なお養成枠では大型二種免許保有者は応募できない。試験は三次試験まである。
二次試験までは同じだが、運転の実技試験は大型二種免許を保有していないので普通自動車で行う。合格後に大型二種免許を取得し、改めて大型車で三次試験を行う。スケジュールによると二次試験合格後、概ね4-5か月以内に大型二種免許を取得しないと三次試験を受験できないので不合格となるようだ。
筆記試験の例題を見ると、運賃箱の機能まで問われているが普段から都営バスを利用していれば分かる問題に思える。
■気になる待遇は?
待遇は大型二種持ち枠と養成枠とでは異なる。大型二種持ち枠では年齢加算か経験加算かの加算額があり、どちらか高い方で支払われる。年齢加算は最高39歳までで初任給232700円、経験加算は10年が上限で初任給234000円(いずれも月額)となる。
これに住居手当、扶養手当、通勤手当、夜勤手当、超過勤務手当等と期末・勤勉手当(賞与)が年2回(令和4年度の実績では年4.55ヶ月)が支払われる。なお研修の会計年度任用職員期間中は時給制(1211円/時間)で計算される。
養成枠はバス運転経験がないため、年齢加算のみだ。月額や手当は大型二種持ちと同額で、会計年度任用職員期間中の時給額も同額だ。
具体的なモデルケースが公表されていないため詳細については不明な点はあるが、賞与以外の諸手当をゼロと仮定すると年収で3851185円になる。住居手当、扶養手当、通勤手当、夜勤手当、超過勤務手当等は当然に支払われるので、民営事業者と比較してどうなのかという問題だろうか。
■東京都交通局は独立採算制
都営バスの運転士の身分は地方公務員(東京都の職員)だが、交通局は独立採算制なので税金が投入されているわけではない。もっとも資金調達が必要な場合は信用抜群の東京都が起債するので破格の金利で調達ができることはメリットだ。
また現状では都営バス単体は赤字だが、都営地下鉄や水力発電事業や広告の収益もあり東京都の一般会計とは別の計算で運営されている。
民営の事業者とは若干異なるところはあるものの、民間企業と同様の会計手法で計算されるのは同じだ。株主総会や取締役会ではなく、都議会の議決により決定されるが、必要な人件費の予算措置が取られて運転士を採用している。
参考までに昨年の東京都交通局における大型二種持ち運転士の選考では、80名の採用予定に対し最終合格者は94名だった。
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