【バス運転士不足問題】子どもの将来の夢から読み解いてみたら……ヤバすぎる!?

■夢がないのは子供だけではない?

写真はイメージであり本文とは関係ありません
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 このように情報化社会であらゆる情報がネット上にあふれている現代社会では夢はあくまでも夢であり、子供のころから現実が待ち構えている世の中なので仕方がない面もあるが、夢がないのはなにも子供に限ったことではない。今の大人にも夢がない気がするのは記者だけだろうか。

 昔は景気が良かろうが悪かろうが、国民には夢があった。所得倍増計画はその典型で、当時の池田隼人首相は1960年から10年間で国民の所得を実質2倍にすると言い放った。結果としてはこの計画は見事達成し、高度経済成長を成功させた。

 決していいことばかりではなかったことは事実だが、国民は政府が広げた計画に夢を見てがむしゃらに働いた。池田首相は国民総生産(GNP)を倍増することで生産が伸びれば所得が増え、それにより1000億円(当時の額面)以上の減税をし、さらに国民の貯金が伸びれば消費が増えというように「雪だるま式」と自ら述べ、嘘は申しませんと国民に約束した。

 具体的には公共事業で仕事を増やし所得と消費を増やし、福祉政策を充実させ、所得が増えた結果として税収は増えるので減税を実施し、国民に貯蓄をする余裕がでて…の繰り返しで本当に10年で所得を2倍にした。

もちろん多少のインフレはあったので可処分所得がそのまま2倍になったわけではないが、国民は大いに余暇を楽しむ余裕が生まれた。いわゆるレジャーブームである。

 海外での多少の景気不安はあったが、どこ吹く風の談話で国民を安心させた。今これを政府が大風呂敷とわかっていたとしてもぶちまけたならば、国民は少なくとも今よりは夢を持たないだろうか。

■公共事業が叩かれ続けられた結果?

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 当時は新幹線の開業を東京五輪に間に合わせ、高速道路を急ピッチで建設し、その他の公共事業や社会福祉事業に優先的に予算を配分して雇用と所得が増えるように誘導した。この中で運輸業は旅客に限らず貨物に至るまで需要が増大し、高速道路が伸びる過程で高速バスという新たなバスビジネスが開花した。

 今現在、公共事業というとこぞって無駄遣いと叩かれ実現は難しい。しかしインフラ整備は紛れもなく公共事業であり、これを怠ったがために自然災害に弱い国土になってしまったのは事実だ。

 道路・港湾は言うに及ばず、リニアは何も新技術導入の超高速鉄道実現のためだけではなく、古くなった東海道新幹線のリニューアルを実施するために必要なバイパスでもあるのだ。

 公共事業にアレルギー反応を示し国民不在の倒閣のために何でも反対し続けた野党の責任は大きい。そして、雇用と所得が伸びないのに政府は財政出動しないばかりか、コロナで財政がひっ迫したという事情はあれども増税に舵を切きってしまった。

 所得が増えない中でのインフレという、ウクライナ戦争の余波があるとはいえ最悪の状況を招いてしまったのは与党の責任である。

■運輸事業も公共事業なのだ!

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 もはや運輸事業を公共事業ととらえて、補助金ばかりではなく積極的な財政投資をしていくべき時代になったのかもしれない。現状では国民が夢を持てと言われて、どこに夢を見たらよいのかわからない状況なのだ。

 よって出生率は上がらないので少子高齢化は進む。人口減少はなにも金だけの問題ではない。将来に夢と希望があれば子供をたくさんもうけて、楽しい家庭を築いて子育てにまい進するだろう。そのために稼がなくてはならないので、仕事を頑張るだろう。企業も頑張りに応えて賃金を多く払おうとするだろう。それが健全な状態だ。

 子育てやマイホーム取得のために政府は所得が上がった国民のために減税や経済対策をして応援するのが筋だ。過去に好例があるにも関わらず、この簡単な流れがなぜできないのかが現代の日本の問題であるのだろう。なにも政権批判をしたいわけではない。与党も野党もよく考えて国民が幸せになる政策を実行してほしいだけなのだ。

 多くの問題を抱えたバス運転士不足の問題を俯瞰的に読み解くと、国民の夢と希望というところにまで踏み込まなければならなくなってしまったが、願わくば子供の将来の夢にカッコいい運転士が復活することを望んでやまない。

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