■とっさの判断?運転士の心意気が光る!
そのころ、乗客が戻ってくるのを待っていた本ツアー運転士と、他のツアーのはとバス運転士が「協議」の上、とっさの判断でリラックマのぬいぐるみを運転席に置き、キイロイトリのぬいぐるみをガイド席に座らせて撮影ポイントに仕立て上げていた。
何度か試行錯誤して、運転席シートを目一杯上げてハンドルに手がかかるようにしたり、記者の提案で左手をフィンガーコントロールミッションの上にのせたりと、運転士は乗客を楽しませようと心意気を見せた。
これには他のはとバスガイドも感動して、当ツアーの乗客が戻る時間ではないので、自ツアーの乗客を撮影に誘い大型車駐車場は出発直前まで大いに盛り上がった。
■特別感と効率で考えると…
こうして日が落ちた後に東京駅に向かい、2台のラッピング車はラストスパートをかけた。定刻より少し前の18時ごろに東京駅に到着しても何とか写真を撮ろうと乗客たちはホームでバスとの別れを惜しみながら余韻に浸った。
本コースの内容は自分で行こうと思えば行ける。電車や地下鉄や都営バスを利用すれば決して困難なコースではない。神田明神も浅草ビューホテルも東京タワーも自分で行っても問題なく見学できる。アンサンブルも一般入場ができるので、もしかしたらはとバスツアーよりも安く行けたのかもしれない。
しかし、はとバスツアーは東京で長年にわたり観光客を楽しませてきた実績と信用があり、それゆえ観光地側がツアーのために特別な配慮をしてくれる場合が多い。短い時間で効率的にプロが考えたコースで回ることができ、ガイドの東京を知り尽くした案内は都民であっても知らないことの連続で、聞いていて新しい発見がある。
その意味で、このような企画コースに限らず通常の観光コースにおいても、はとバスに乗車することは効率と乗客だけの特別な待遇を考慮すると、総合的なコストパフォーマンスは高い。
ラッピング車のガーラはすでに車齢10年を超えており、権利関係も含めてバスマニア的に考慮すると、いつまでも永遠に走るというわけにはいかないだろう。しかし同社では引き続きリラックマのラッピング車を使用した特別なツアーを企画したいとしており、コースの内容は変わるだろうが、今しばらくはリラックマバスツアーを楽しむことができそうだ。
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