長めの休みがあるときには旅行に出たくなる。現在ではLCCの発達で長距離の移動は航空機が最も早く安いが、例えば九州だと高速バスも含めてほぼすべて乗れる企画乗車券がSUNQパスがある。以前から存在するが、改めて使い方をおさらいして冬の旅行に使ってみよう。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■SUNQパスとは?
SUNQパスは平成17年に社会実験として期間を限定して発売されたものが、のちに有効範囲や期間を広げながら恒久発売となったフリーパスだ。バス事業者1社が発売するフリー乗車券の例はあるが、SUNQパスはSUNQパス運営委員会に加盟する九州各県・下関47社局で組織された「SUNQパス」を発行・運営するための組織が発売し、九州島内のバスはほぼすべて乗車できる。
このような社局をまたいだ広範囲なバスのフリーパスの例はなく、高速道路や都市高速道路が発達していて高速バスの路線が多い九州ならではのダイナミックな移動がSUNQパスでできる。
残念ながら以前は存在した九州島内完結の夜行バスは現在はないので、ホテル代わりに夜行移動という手は取れないが、それでも3~4日間のバス旅を楽しむことができる。
本券のコストパフォーマンスが高いのは、長距離路線の乗車券発売窓口でビジネス客が単純往復で利用しているのを見かけることでわかる。例えば福岡-鹿児島線の桜島号の場合、窓口での通常運賃は片道6000円なので、単純往復で全九州3日間用の方が安くなる。
■4タイプのパスがある
SUNQパスの券種は4種類だ。北部九州+下関版(9000円)と、南部九州版(8000円)が連続する3日間用のみ、全九州+下関版については連続する3日間用(11000円)と、4日間用(14000円)がある。
北部九州とは福岡・佐賀・長崎・熊本・大分の各県発着のバスを利用できる。さらに指定船舶航路と山口県下関市のバス、および福岡-下関と福岡-長門間の高速バスも利用できる。南部九州版は熊本・鹿児島・宮崎の各県発着のバスと指定船舶航路を利用できる。
西鉄が開設して期間限定ではかた号のスーパーハイデッカーを投入してバスマニアがざわついた長門市方面の高速バスも、いつの間にか利用可能路線に含まれていて、SUNQパスは着実にアップデートされている。