■撮りバスという分野
撮り鉄と違い撮りバスの分野は、見た限りでは高級機材(カメラやレンズ)を持って撮影している人は鉄道ほど多くはない。つまり入門の敷居が低いと言える。理由は鉄道のように長い編成を望遠レンズを使用してフレームに入れる必要がなく、高速道路本線を走るバスでもない限りは速度が遅いので、さほどシャッタースピードを必要としないからだ。
それでも最近は行先方向幕がLEDになり、LEDは直流電流なので常時点灯しているはずなのだが、実際には節電のために人の目にはわからない速さで点滅させている。それもメーカーや事業者により点滅間隔は異なるので、シャッタースピードを適切に設定するか、極端に遅くしないとLEDの文字が写らないという悲劇が待っている。最近の撮りバスさんも大変なのである。
■究極は運転や所有すること!
バスマニアの究極はバスの運転や所有である。ほぼ中古のバスを購入することになるが、流通していないわけではない。どこかのバス事業者で使用していた中古バスは購入可能だ。ただし、事業者名や塗色はすべて消されて売却される。悪用やそれにともなうイメージ悪化防止のためだ。
運転だけであれば、自動車学校で行なっているペーパードライバー講習で大型バスの運転は可能だ。ただし大型二種免許の所有を条件としている自動車学校がほとんどだ。
さて、バスを購入するとなると車種も様々で、大きなものはダブルデッカー車から、小さなものではコミュニティバスやローカル路線でおなじみの日野ポンチョまでさまざまだ。元高速車や貸切車の場合は大型免許を持っていればそのまま運転できるが、微妙なのはポンチョのような小さいサイズの場合だ。
■ポンチョを高速で走らせる!
ポンチョはショートとロングのボディサイズがあるが、ショートの一部を除き標準仕様では定員が29名を超えることから、あのマイクロバスのようなサイズでも中型免許では運転できず大型免許が必要なのだ。
そして、そもそも高速道路を走行することは想定していないので、シートベルトが付いていない。自家用車として所有する場合は高速道路を走る機会もあるだろうが、そのままでは誰かを乗せて走ることができない。そこでマニアは構造変更という技で車検を取得する。
シートをシートベルト付きのものに変更するか、いくつかの座席を撤去してシートベルトを別途装備し、さらに立席定員をなくすためにつり革や手すりを撤去して保安基準に適合させ、定員を29名以下に抑えると中型自動車になる。
マニアはこのような構造変更扱いで車検を取得して、ナンバープレートを中型車のものに変更してもらことで、自由度の高い自家用ポンチョを所有するのだ。
大型免許を持っていればそもままでもよいが高速道路を走らせるために、いずれにしても構造変更をする手順がマニアによって実践され公開されている。
■ヲタは経済を回す?
乗り物ヲタに限らず、特定のアイドルを応援する推し活組や、二次元ヲタ等のいわゆるヲタクやマニアと呼ばれる人種は、世の中の経済が不安定であろうが悪かろうが、自分の趣味に徹底的にお金を使う。つまり消費し続けているのだ。中にはそのために働いていると涼しい顔で言ってのけるマニアもいる。
経済を回すのは消費であり、どんな経済状況でも消費をするヲタと呼ばれる人たちは規模はともかく日本経済を回していることは間違いない。消費は他の人の所得になるので、経済においては重要な要素なのだ。
廃止されると聞けば旅行でもないのに交通費を使って飛んでいき、部品の販売会があると聞けば有休を取ってでも会場に急ぎ入札する。
一般的には何の価値もないことに対して果敢に行動し、それに付属する交通費や宿泊費、食費等の消費をしているのだ。バスマニアに限らずだが、ヲタと呼ばれる人達を見かけた際は、温かく見守って消費を歓迎していただきたい。
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