日本の分かりやすい観光スポットの一つと言えばお城だが、ランドマークになり得る場所ゆえに、最寄りのバス停名も自動的に「○○城前」になるのだろうか? 今回確かめに行ったのは千葉県の館山城!!
文・写真:中山修一
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■房総半島南端に聳える城
房総半島の南に位置する海の街・館山。この館山には、戦国時代〜安土桃山時代に名を馳せた武将・里見義頼が築いたとされる館山城がある。
築城は1580年。1590年からは、家督を継いだ長男の里見義康の本城として使用された。後の1614年に里見氏が失脚し館山藩が消滅すると、同時に館山城も廃城となった。
現在の館山城天守は、JR館山駅から2.5kmほど離れた、標高65.7mの丘陵の上に建てられている。1982年に建設されたもので、築城当時の詳細な記録が残っていないため、愛知県の犬山城に姿形を似せた模擬天守の形態が採られている。
天守の最上階が展望台を兼ねた作りは、観光スポットでもある現代ニッポンのお城のフォーマットに準じている。高台にあるため館山の市街地が見渡せて楽しい。
天守の中は城本体の歴史よりも、1814〜42年まで続いた、曲亭馬琴(きょくていばきん)による長編小説『南総里見八犬伝』をテーマにした博物館の色合いが濃い。
■館山城と路線バスの関係は?
館山観光の名所の一つに数えられる館山城であるが、公共交通機関によるアクセス事情はどうなっているだろうか。
JR館山駅から2.5kmほどの距離なら、散策しつつ徒歩で向かっても丁度良さそう。とはいえ、ちゃんと近くを路線バスが通っている。
日東交通の「館山市内線」と、JRバス関東の「洲の崎線」があり、館山市内線は南房総市と館山市の要所を結ぶ。洲の崎線は房総半島南端の、西方向に突き出た部分を海沿いに進む路線だ。
ちなみに洲の崎線はメインルートの千葉県道257号線沿いにある、各宿泊施設への交通アクセス役を担っているほか、車両前面に自転車を載せて運べる、サイクルラックバス車両で運行しているのが特徴だ。
どちらの路線も館山城最寄は途中の停留所で、大体1時間に1本程度バスが出ている。
JR館山駅から館山城最寄のバス停まで向かうと、館山市内線で所要時間は8分。洲の崎線は他の観光施設に寄り道するため12分かかる。運賃はいずれも190円だ。