■100年を超える伝統!?
古い時代のバス車両には現行と異なるシフトパターンがあると解った。それならついでに、もっと古い戦前の車はどうか……資料が少ないのに加え、時代を遡れば遡るほど大型車と普通車の垣根がなくなって行くので、ここからはトラックと普通乗用車向けの文献をリサーチ対象に含めた。
その結果出てきたものが、1939年のシボレー製トラックが搭載していたとされる「1-3/R-2-4」の配置と、1917年発行の自動車技術解説本に、平均的な例として掲載されているシフトレバーが「1-3/R-2」のパターンであった。まさかそんな昔から定着していたフォーマットだったとは……。
円いハンドルと床置きのシフトレバー、クラッチ・ブレーキ・アクセルを組み合わせた、現在のMT車とほぼ同じ配置の操縦装置を搭載した最初のクルマは、1916年に作られたアメリカ製のキャデラックと言われており、MT車には100年以上の歴史があるわけだ。
ただし、1910年代に爆発的な普及を遂げ、トラックやバスのベース車にもなったT型フォードは運転方法が全く異なり、左足で踏むペダルのみでギアチェンジを行う。もしかするとT型フォードの全盛期には、運転技術に流派みたいなものがあったのかも!?
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