2023年のジャパンモビリティショーで公開されたBEVのミニバンコンセプト、「ハイパワーツアラー」。これが次期エルグランドとなるのは確実。あれから早1年、現在入手している新型エルグランド情報を紹介していこう!
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車、CGイラスト(ベストカー製作)
■時間が経つにつれてめまぐるしく変わっていく開発の進捗状況
次期エルグランドを示唆する「ハイパワーツアラー」が披露されたのは2023年秋のジャパンモビリティショーだった。あれから早1年。次期エルグランドをめぐる開発環境はめまぐるしく変わっている。
その筆頭といえるのが、2024年8月1日、ホンダと日産(三菱も含む)が提携し、主要な協業領域についての会見。
次期エルグランドに関係あるのは以下の項目だろう。バッテリーの補完・供給(共通化されるバッテリーはBEVだけでなくHVやPHEVにも使用)、eアクスルの共通化(モーターとインバーターを共用し、中長期的にはeアクスルを共通化)、車両の相互補完。
日産(および三菱)がホンダと提携したことで、BEV(HV、PHEVを含む)のバッテリーの共用化やeアクスルが共用化が確実となった。
すでに日産は2024年中に全個体電池の生産工場を立ち上げ、2028年度の実用化を目指している。そんな状況のなか、ジャパンモビリティショーで「ハイパーツアラー」を公開した。
この「ハイパーツアラー」は、エルグランドのイメージを押し出した未来のミニバンで、全固体電池のBEVで自動運転もできるというコンセプトカーだった。文脈を読み解くと、全個体電池を搭載した100%バッテリーEV(BEV)の次期エルグランドの発売は、2028年度以降ということになる。
さすがにそこまでは待てない。14年を超えているモデルサイクルの現行エルグランドは登場18年になってしまう。そこで改めて日産関係者に話を聞いたところ、次期エルグランドの発売当初はBEVではなく、内燃機関、e-POWERユニットが組み合わされ、早ければ2025年中のデビューを目指しているという。
【画像ギャラリー】アルファード追撃! 日産が放つキングオブミニバン「新型エルグランド」新たな情報ついに…(5枚)画像ギャラリー■新型エルグランドの発売当初はe-POWER!
新型エルグランドの発売当初はe-POWERの発電用エンジンとなるのはエクストレイルに搭載されているものと同じガソリンエンジンの1.5L、VCターボで、駆動方式はFFと4WD。
モーターパワーは4WDの場合、前後合わせて340ps以上となる。車重1880kgのエクストレイルでも動力性能には不満なしだけに、エルグランドでも充分な動力性能を発揮するだろう。
日産は内燃機関車の欧州での新車販売を2030年までに禁止すると発表しているが、英国やメルセデスベンツ、ボルボなどが完全EV化を遅らせている事情もあり、日産も追随する可能性もある。
2027年には新型BEVユニットを搭載したモデルが追加され、2028年以降に全個体電池を搭載したトップモデルを追加するというシナリオだ。
さらに日産&三菱、ホンダとの提携によっておもしろいことが起きそうだ。そう、日産のエルグランドと、ホンダのエリシオン、そして三菱グランディスの3車が相互補完によって誕生し、各社のアイデンティティを注入し販売すれば、独壇場となっているアルファード&ヴェルファイアを追い落とすこともできるかもしれない。
モデル末期のオデッセイ&エリシオンを抱えるホンダからすれば願ったりかなったりで、北米市場のオデッセイと合わせれば、日産から見た場合、スケールメリットによるコスト削減効果は大きい。
もちろん、3メーカーのエクステリアデザインは差別化される。エルグランドは最新のデジタルVモーショングリル、ホンダはステップワゴン、フリードのようなシンプル&モダンなデザインを採用してくるだろう。
アルファード&ヴェルファイアの独走にストップをかけられるか、次期エルグランドを期待して待っていよう!
●新型エルグランドe-POWER予想スペック
・全長:4980mm
・全幅:1880mm
・全高:1930mm
・ホイールベース:3000mm
・パワーユニット:直3、1.5Lターボe-POWER
・モーター最高出力:フロント204ps、リア136ps
・駆動方式:FF/4WD
・トランスミッション:―
・予想価格:600万〜800万円
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