緑あふれる経路
神奈川県に入ると周辺に農地が見え始め、車窓からの景色に緑が多くなる。進行方向左側には東京工業大学すずかけ台キャンパスもあり、こちらも緑に囲まれた立地だ。
バスは曲がりくねった坂をぐねぐねと下ってゆき、ローカル感漂う道を軽やかに走る。車窓のバックには森がそびえ、急に山の中まで来たような錯覚を覚えるものの、その森を一つ越えた先には東名高速道路が通っている。
バスが通る道の周辺は歴史があり、古くから人が住んでいる場所だ。周辺を散策すると1819(文政2)年に作られた地神塔が現存している。
南町田駅からの乗客も、ちょうどこの緑豊かな区間で下車していった。長津田まで向かうなら電車を使ったほうが早いため、津01系統は南町田駅〜長津田駅の間の、鉄道から離れた地域をカバーする移動手段と言える。
道なりにバスが進んでいくと再び住宅地が広がり始め、国道246号線との交差点にぶつかり、ここを直進すると南長津田団地に入る。
この団地前のバス停からご高齢の乗客がどっと増えた。南長津田団地前〜長津田駅の距離は900mを切る程度なのだが上り坂が続くため、団地側から駅まで向かうならバスを使ったほうが楽というわけだ。
南長津田団地から5分ほど走ると、終点の長津田駅バスターミナルに到着した。所要時間18分、津01系統は後ろ側のドアから乗車する運賃後払い方式で、通しの運賃は現金で250円。
総距離が5km程度と短い路線ながら、県境越えバスの特徴としては隣県に入ってすぐ終点に到達するタイプと言える。津01系統の場合、東京都内に入ってからの走行距離は800mくらいだ。
首都圏を代表する鉄道路線の駅同士を結ぶバスということで、県境越えバスの中でも手軽さは上々だろう。
【バス路線の基本データ】
神奈川中央交通 南町田グランベリーパーク駅→長津田駅行き
・跨ぐ県:東京都→神奈川県
・移動距離:約5km
・所要時間:18分
・運賃:250円
・停留所の数:15箇所
・東京都内の区間距離:約800m
・東京都内の停留所の数:2箇所