2026年5月28日、トヨタが9代目となる新型ハイラックスを発売した。前モデルが販売を休止してから約1年。待ちわびていたファンも多く、発売直後から注文が殺到しているという。「Cyber SUMO」というキーワードで開発されたというデザインは、見る者に圧倒的な存在感を与える。価格はZグレード498万800円、上位のZ”Adventure”が550万円という価格設定になったが、好調な販売は継続するのだろうか。ハイラックスが販売現場でどう映っているのか取材した。
文:佐々木 亘
【画像ギャラリー】リアの「TOYOTA」ロゴまでデカすぎ!! まさに大陸級な新型ハイラックスの大きさを画像で体感してみて!(38枚)画像ギャラリー強みは本物だ
まず新型ハイラックスの長所から整理していこう。
エンジンは先代の2.4Lディーゼルターボから2.8Lへと排気量が拡大された。これにより低回転域のトルクがさらに分厚くなっており、荷台に500kgの荷物を積んだ状態でも余裕をもって走れる実用性は、ピックアップトラックとして本質的な進化だ。
安全装備は現代的な水準にアップデートされ、プリクラッシュセーフティや全車速追従対応のレーダークルーズコントロール、ブラインドスポットモニターなどを全車標準装備する。12.3インチのコネクティッドナビ、電動パワーステアリング、電動パーキングブレーキも全車に採用された。機能面でようやくSUV並みの快適性が手に入ったと言っていい。
荷台の使い勝手も向上している。テールゲートを開いた際の地上高は870mmと高いが、リヤのクォーターパネルに「デッキステップ」を標準設定することで、積み下ろしのたびに踏み台を用意する手間がなくなった。
そして最も大きな武器は、資産価値の高さだ。ハイラックスはその希少性と世界的な需要の下支えにより、中古市場でのリセール率がランドクルーザーに匹敵するほど強い。残価設定ローンを使えば、高い定価の割に月々の支払いを抑えやすくもなっている。「買っても損しにくいクルマ」という評価も、購入決断の背中を押しているのだろう。
現場が感じる「売りにくさ」
一方で、ディーラーの営業マンに話を聞くと、後ろ向きな話も出てきた。
最大の問題は車体の大きさだ。全長5325mm、全幅1885mm、最小回転半径6.3mというビッグサイズ。都市部に住むユーザーにとっては、駐車場問題が大きく突きつけられるのだ。立体駐車場への入庫は難しいし、戸建ての駐車場でも入らないことはある。「かっこいいけど、うちの駐車場には入らないな」という声は、試乗後に少なくない頻度で耳にするようだ。
また、1ナンバー(普通貨物)登録であることも、見落としがちな維持費の壁だ。車検は2年に1度ではなく毎年必要になり、高速道路料金も乗用車より高い。キャンプや趣味のアウトドアで使いたいというライトな用途を想定しているユーザーには、この点を丁寧に説明する必要がある。
そしてパワートレインが日本仕様ではディーゼル一択という点も引っかかりやすいらしい。海外向けにはガソリンモデルやEVも設定されているが、日本には入ってきていない。「ガソリンはないのか」「ハイブリッドは?」という質問は現場で繰り返し受けるという。燃費性能への関心が高い現代の購買層に対して、ディーゼルのみという構成は選択肢の狭さとして映ることも多いのであろう。
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