中盤がキモ!? 三江線代替路線 石見川本〜道の駅グリーンロード大和路線の正体とは

クリーム色のマイクロバスが目印

 16:05頃、石見川本バス停に大和観光バス 川本美郷線のクルマが入ってきた。クリーム色を基調に赤とグレーのストリームラインが入れられたマイクロバスの三菱ふそうローザが、次に乗る三江線代替バスだ。

 マイクロバスとはいえ前面に行先表示が付いており、車内にも整理券発行機や運賃表示器・運賃箱が並ぶ、れっきとした一般路線バス仕様の車両だ。

 16:10、地元利用者を2名ほどを乗せて石見川本を出発した。さきほどのご婦人に手を降り挨拶する。街中を抜けると、江の川の右側・線路と並行している県道40号線を進んでいく。

 この40号線、軽自動車同士でもすれ違いが難しいほど幅狭な箇所が点在していて、小柄なマイクロバスでもよくこんな道を経路に設定したものだと感嘆にふけってしまった。バス趣味ジャンルの一つでもある激狭路線ファンにはこたえられない区間である。

 15分ほど進んだ先の停留所で1人が下車、しばらく三江線の線路と並走したのち、県道40号線は橋を渡り江の川の左側へと移る。石見川本から約17kmの地点に、三江線の駅で言うと「粕淵駅」の所在地だった美郷町がある。

 美郷町の手前で江の川が「M」の字を描くように大きく右へカーブする。バスの車窓からはカーブ上に架けられた三江線の立派な3連下路式トラス橋が見える。

 美郷町内の停留所で1名が下車し乗客が誰もいなくなった。ちなみに石見川本〜美郷町までの区間は北上する形となっており、南下しなければいけない最終目的地の三次には、直線距離で言えば大して近づいていない。

今も代替バスの停留所に使われている浜原駅跡
今も代替バスの停留所に使われている浜原駅跡

 美郷町内を出てしばらく進んだ16:46に終点の浜原駅前に到着した。運賃は後払い方式で740円。ホーム等には入れないものの、旧・浜原駅の駅舎がそのままバスの待合室に使われている。トイレもある。

当日中には着けないので、泊まる!!

 次のバスも川本美郷線で、今度は「上野」行きに乗り換える。「うえの」ではなく「かみの」と読むのがミソ。26分の待ち時間だ。

 日が暮れて気温もますます下がり、待合室にも暖房がないため、冬場はこれくらいの待ちで勘弁しといてやる、といったところだろうか。

 浜原駅前17:12発の上野行きに乗車し、この日は7停留所先の「潮温泉」で下車した。浜原駅前からの距離約7km、所要時間で9分程度、運賃は370円だ。

 そのまま進んでも時間的にバスが途中までしかなく、どうやっても結局のところ当日中に三次までは行けない(詰む)。

 詰まないための措置である以上に、せっかく島根県の奥深くまで来たんだし、滞在に時間を割くのも悪くないと考え、潮温泉バス停から歩いてすぐのホテルを予め手配しておいた。

潮温泉周辺は江の川と線路跡、国道上を走る代替バスが寄り添う密度の濃い区間
潮温泉周辺は江の川と線路跡、国道上を走る代替バスが寄り添う密度の濃い区間

 停留所名の通り温泉が出ており、泉質はトロっとした濁り湯だ。日帰り入浴にも対応している。

 ちなみに潮温泉周辺には飲食店がなく、ホテル(こちらも1軒しかない)でも素泊まりの場合は朝夕の食事の用意ができないとのこと。

 バスとは直接関係ないにせよ、知らずに行ったら食えなかった、というのは何気にバスを乗り間違えるよりも深刻な事態かもしれない……。

ちょっとややこしい乗り継ぎポイント

 翌日の潮温泉から利用するのは11:21の上野行き。その前に8:23発があるのだが、これで行っても次に乗るのは結局同じ時刻のバスになる。早起きしたら得しなかった、というのは路線バス旅では大いに有り得るのだ。

 数分前にバス停まで赴いて、スルーされてしまわないようバスがやって来たらシッカリ挙手して確実に停まってもらう。この区間はずっと国道375号線を走り、進行方向右側に江の川が流れる。

 また次もバスの乗り継ぎが必要となる。ここで重要なのが、乗り継ぎポイントが終点の上野ではなく、潮温泉から7.5km先・13分ほど行った「道の駅グリーンロード大和(だいわ)」停留所であるところだ。

道の駅で川本美郷線の旅は終了!!
道の駅で川本美郷線の旅は終了!!

 11:34に道の駅バス停で下車、運賃は440円だ。もし乗り過ごして終点まで行ってしまっても、上野から道の駅まで2kmくらいなので、歩いて戻れなくもない。

 江津からの通算距離およそ68km、次の飯南町営バス 谷・赤名・頓原線の出発まで約2時間16分だ。

【画像ギャラリー】圧巻の経路を辿る!! 大和観光川本美郷線(6枚)画像ギャラリー

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