元陸自の災害エキスパートが語る。災害時に生き延びる人の備え方


■つねに災害に備えた「偵察」を!

 災害は勤務中に起きる可能性もあります。職場に潜む危険も検討しておきましょう。オフィスの窓ガラスが割れたり、照明が落下したりする可能性があります。ビル街の通りでは、ガラスや看板などの構築物が落下してくる可能性もあるでしょう。

 自身の行動圏のなかで、どこに危険が潜んでいるのか、想像力を働かせて事前に把握しておく必要があります。ここでもやはり、自分の目で見て、可能な限り体験しておくことが大事です。

 そして、いざという時には、むやみに外に出ない、あるいはやむをえず外に出る時は、落下物の被害を受けにくい道路の中央よりを歩くなど、慎重な行動が求められます。

 火災もまた大きな脅威となります。特に地震後の火災は被害を大きくしがちです。出火元の想定、非常口の確認とそこへの経路を日頃から確認しておきます。

 いざという時、行動に移せるかどうかは、日頃の準備にかかっています。オフィスビルでは、毎日同じエレベーターばかりを使うのではなく、階段を利用してみる、普段とは違うエントランスを利用してみるなど、しっかりと偵察し、避難経路を血肉化しておきましょう。


二見 龍(ふたみ りゅう)
1957(昭和32)年東京生まれ。防衛大学校卒業。陸上自衛隊第8師団司令部3部長、第40普通科連隊長、中央即応集団司令部幕僚長、東部方面混成団長などを歴任し陸将補で退官。防災士として自治体、一般企業で危機管理を行う。著書に『自衛隊式セルフコントロール』、『自衛隊最強の部隊へ』シリーズ、『弾丸が変える現代の戦い方』、『自衛隊は市街戦を戦えるか』、『特殊部隊 vs. 精鋭部隊』などがある。近著の『自衛隊式セルフコントロール』はすぐに実践できる自衛隊のノウハウが満載