ヴェルファイアがまさかの月販500台以下…大ブレーキの理由と現場の声

■販売格差はますます開いていく

 アルファード/ヴェルファイアの現行モデルの登場は2015年1月26日だった。

 2022年には7年が経過することになり、現在入っている情報によると、来年中には世代交代の時期を迎える。今のところ同年後半か2023年初めまでにフルモデルチェンジするのが濃厚となっている。

 次期型はトヨタの新しいクルマづくりの考え方である「TNGA」による新開発のプラットフォームを採用。基本的には低重心によるデザインコンセプトであるから、現行モデルに比べて、全高、最低地上高を引き下げて、走りのポテンシャルアップを図ることになる。現行モデルは抜群の人気の高さであるから、外観デザインは大きく変えないはずである。

アルファード 現行モデルの登場は2015年1月26日だった
アルファード 現行モデルの登場は2015年1月26日だった

 パワーユニットは2.5&3.5リッターハイブリッドでFF&4WD、CVTとの組み合わせになる。これまでのガソリンNAがなくなり、全車がハイブリッドになる可能性がある。ヴェルファイアはこの時点で廃止となり「新型アルファード」に1本化されるが、場合によっては2022年の早い時期にモデル廃止となる可能性がある。最近になって極端に販売台数が減少し、販売継続が難しくなっているためである。

 (販売店と営業マンによっては、見込みユーザーにはっきりと「ヴェルファイアはもうすぐ無くなるので、細かいサービスの継続を考えるとアルファードにしたほうがいいですよ」と伝えているケースもあるようだ。また「ヴェルファイアを試乗したい」というユーザーが来店しても、近隣に試乗車がないためアルファードで代替することも多いそう。そうなるとますます販売格差は開いてゆく)

アルファード 内観
アルファード 内観

 アルファードに販売が集中しているのは、ヴェルファイアとリセールバリューが極端に開いているためでもある。売れ筋モデルにナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーティング、フロアマット、サイドバイザーなど必要なオプション&付属品をつけて、残価設定クレジットで3年36回、5年60回払いで試算すると3年後、5年後の残価は車両本体の60%、40%と両モデルとも高い数値が提示される。

 ところが実際の下取り額は、5年後でもアルファードのほうがヴェルファイアより30万円以上も高値がつくようになっている。営業マンがこのことを両モデルの購入を検討しているユーザーに提示するケースが多いため、ユーザーはこぞってアルファードを選ぶようになっており、両モデルの販売上での明暗は一段と大きくなっている。

■「値引きは同条件だが…」証言1首都圏ネッツトヨタ店営業担当者

 2020年5月から、それまでのヴェルファイア専売からアルファードとの併売になっている。当初はヴェルファイアの方が販売台数は多かったが、徐々にアルファードが多くなり、最近は完全な逆転状態にある。今年(2021年)4月28日からヴェルファイアは特別仕様車だけになってしまったので、余計にアルファードが売りやすくなっている。

アルファード特別仕様車
アルファード特別仕様車

 値引き幅はどちらもナビ、ETC付きで40万円以上と同条件だが、リセールバリューはアルファードのほうが高く、買い得度が高くなっている。もちろんそのことは商談の際に説明する。

■「それでもヴェルファイアが、というお客さん以外は」証言2首都圏トヨペット店営業担当者

 トヨペット店はアルファード2020年4月までアルファードの専売店だったので、ヴェルファイアが扱えるようになってもほとんど売れない。両モデルは商品内容が同じで、フロントのデザインが違う程度だ。

 それでもアルファードに集中し、ヴェルファイアが売れていないような状況が加速しているのは、リセールバリューの圧倒的な差と、1本化を見越して営業マンがアルファードを優先的に販売しているからだ。他店ではヴェルファイアの既納ユーザーにもアルファードを薦めていると聞いている。「それでもヴェルファイアのほうがいい」というお客さんもいるだろうが、少数派だろう。

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