ミニバンの特徴は、広い室内に3列のシートを装着することだ。特に多人数で乗車する場合、3列目の快適性が重要になる。
そして1列目と2列目は、どのミニバンでも相応に快適だが、3列目は車種によって広さと座り心地が異なる。シートアレンジの機能や荷室の広さにも差が生じる。
そこで、主なミニバンについて、3列目シートの快適性と、格納して荷室にアレンジした時の実用性をチェックした。
文/渡辺陽一郎、写真/トヨタ、日産、ホンダ
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シエンタVSフリード 小型ミニバンの3列目王者は?
●トヨタ シエンタ
全長が4m少々に収まるミニバンとあって、3列目シートの足元空間は狭い。身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分になるようスライド位置を調節すると、3列目には着座できない。
そこで2列目の膝先空間を握りコブシ1つ分まで詰めると、3列目にも最小限度の余裕が生じた。
つまり足元は狭いが、シエンタは薄型燃料タンクの採用で床が低い。そのために床と座面の間隔は相応に確保されるから、膝先空間が狭くても、座った時の姿勢はさほど窮屈ではない。体が3列目にスッポリと収まった感覚になる。
そしてシエンタは薄型燃料タンクを採用したから、3列目のシートを2列目の下側に格納できる。
床が低いから荷室容量にも余裕があり、全高は1700mm以下に収まるものの、2列目を格納すると自転車なども積める。3列目は狭くても不快ではなく、荷室の使い勝手は良い。
*評価:6点
●ホンダ フリード
フリードの3列目は、床と座面の間隔が不足した。座った時に膝が持ち上がる。その代わり足元空間には少し余裕がある。
身長170cmの大人6名が乗車して、2列目の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節しても、3列目に1つ分の余裕ができた。
つまり、前述のシエンタは足元空間が狭く、着座姿勢は良好だが、フリードは逆に、足元は広いが、着座姿勢が少し窮屈になる。
フリードも低床設計で、自転車のような大きな荷物を積みやすい。3列目は左右に跳ね上げて格納する一般的な方式だ。格納された3列目が荷室に張り出すが、積載性を犠牲にする心配はない。
*評価:6点
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