沖縄で繰り広げられた44年前の大作戦!!『ナナサンマル』とはなんだったのか?

44年前、『ナナサンマル』直前から当日は厳戒態勢でその時を待った

 いよいよ『ナナサンマル』直前となった1978年7月中旬には、交通規制などのため警視庁など一部の県警本部などの交通部隊の警察官約2600名、パトカー80台、白バイ100台が現地へ派遣され、県内の各警察署に配置された。

 そして7月29日午後10時、特定の車両以外の通行が規制された県内の道路では、標識などの切り替え作業が一斉に開始された。作業状況は逐一県の対策本部へ連絡され、完了した場所が地図上で記されていった。明けて7月30日午前5時50分、右側を通行していた車両はサイレンの吹鳴を合図に路肩へ停車。そして警察官の指示で左側車線へと入り待機する。

 そして午前6時、再びサイレンが吹鳴するなか、いよいよ左側通行を開始したのであった。沖縄県の交通方法が変更された瞬間である。この一大行事を一目見ようと県内各地から見物人が多く集まったという。

 27年間という長年の習慣が一夜にして変わったため、いくら事前に認知していたとはいえ、ハンドルを握ると戸惑うドライバーが多く、事故も頻発したというが、重大事故に発展することなく徐々に沖縄の人々は新しい日常を送っていったという。

 そしてこの一大行事の歴史の証人である、この時新車導入されたバスが、44年を経た今なお県内の2社でまだ生き残っており、毎週末などの限られた時間に定期運行されているのである。沖縄バスには1978年製の三菱ふそうMP117Kが、東陽バスには日野車体のRE101がそれぞれ動態保存されている。また、毎年7月30日には一日を通して運行されている。2022年の当日のレポートも追ってお届けしたい。

今年の『ナナサンマル』の日にも運行が予定されている東陽バスのナナサンマルバス、日野RE101。この他にも沖縄バスにナナサンマルバスが1台、現役で残されている
今年の『ナナサンマル』の日にも運行が予定されている東陽バスのナナサンマルバス、日野RE101。この他にも沖縄バスにナナサンマルバスが1台、現役で残されている
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