君は4本脚のカニクレーンを知っているか? 古河ユニックのミニ・クローラクレーンがさらに進化した!

君は4本脚のカニクレーンを知っているか? 古河ユニックのミニ・クローラクレーンがさらに進化した!

 カニのような格好をした機械がギーコンギーコン迫ってくるようなコワ~いSF映画があったけれど、姿カタチは似ているものの、こちらはさまざまな場所で活躍する、とても有益なカニ型クレーンのお話です。

 トラック搭載クレーンで知られる古河ユニックの新製品のニュースなんですが、せっかくなので「カニクレーン」と称される面白クレーンのことにもちょっと触れてみましょう。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/古河ユニック

カニクレーンはスパイダークレーンとも呼ばれています

ミニクロの展開姿勢。お腹部分が走行用クローラになっている
ミニクロの展開姿勢。お腹部分が走行用クローラになっている

 カニクレーンとはいうものの、実はカニの脚は移動には使われず、走行機能はクローラが担っています。そこで正式名称は「ミニ・クローラクレーン」と言うんですが、ではカニの脚はなにかというと、作業時に安定性を増し転倒を防止するためのアウトリガーなんですね。

 コンパクトなボディに4本のアウトリガーを装備。クローラによって移動できるので、トラックが入り込めない建設現場や不整地、屋内作業現場でのクレーン作業が得意分野です。

 室内ドアより幅が狭く限られたスペースへの搬入ができる非乗車型モデル、ストレートブームでは世界最大クラスの吊り上げ能力を誇る10t吊りの乗車型モデル、環境に配慮した排気ガスゼロの電動モデルなどのラインナップがあり、幅広い作業に対応しています。

 ところで「カニクレーン」というのは、古河ユニックのライバルメーカーである前田製作所の商品名らしいのですが、ほとんどの人はミニ・クローラクレーンとは呼ばず、古河ユニックの製品でもカニクレーンと呼ぶそうです。

 古河ユニックのトラック搭載クレーンのライバルにはタダノがありますが、「ユニックのカニクレーン」というのは「タダノのユニック車」と通称されるのと似ているかも……。

 ちなみに見た目がカニに似ているからカニクレーンと呼ぶわけですが、英語では「スパイダークレーン」と称するそうで、それもアリですね。

 さて、カニクレーンの話が長くなってしまいましたが、以下、肝心の古河ユニックのミニ・クローラクレーンの新製品の話をしましょう。

乗車型ミニ・クローラクレーンの機能を充実

 古河ユニックが1月26日に発表・発売したのが乗車型ミニ・クローラクレーン「URW370Cシリーズ」で、機能を拡充し、安全性・操作性の向上と分解仕様の改良を行なったマイナーチェンジモデルです。

 新しい「URW370Cシリーズ」は、不整地でも強力な吊り上げパワーを発揮する2.93トン吊りの乗車型ミニ・クローラクレーンです。

 今回のマイナ ーチェンジでは、作業の安全性をより高めるため、現場でのクレーン操作において、衝突を未然に防止する高さ制限装置などの「作業範囲制限装置」を追加しています。

 また、作業終了時のブームの格納操作をスイッチ1つで行なう『ブーム全自動格納機能』を追加し、撤収作業の効率化を図っています。さらに、液晶ラジコンのディスプレイ表示を、「クレーンの状態表示」に加え「吊り荷重の拡大表示」を選択可能にするなど、「安全性と操作性における標準装備」を充実しています。

URW370Cの走行姿勢。脚をしまうと生物っぽさはなくなり「重機」といった出で立ち
URW370Cの走行姿勢。脚をしまうと生物っぽさはなくなり「重機」といった出で立ち

  そのほか、山岳地などの機材の搬入がむずかしい場所にクレーンを分解して運搬できる「分解仕様(オプション):ディーゼルエンジン仕様のみ」を改良。分解仕様により、ブームやアウトリガーなど主要パーツが取り外せるため、積載量制限のあるヘリコプターやモノレール、索道でも運搬が可能になっています。

 今回の改良により、分解後の各部品の質量を1t未満に抑え、可搬性を向上したほか、従来要していた分解作業時間を約40%、組立作業時間を約30%削減するなど、ユーザーの利便性を追求したクレーンとなっているそうです。

【画像ギャラリー】古河ユニックのミニ・クローラクレーンをギャラリーでチェック(9枚)画像ギャラリー

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