今年の冬は、暖冬・厳冬の声が交じり合っているが、クルマの冬支度は早めに済ませておいた方が良さそうだ。基本となるタイヤ交換以外にも、空気や液体の点検・補充・交換は、冬の安全なドライブのために、必須のチェックポイントである。
文/佐々木亘 写真/ベストカー編集部
■抜けていなくても低下する空気圧
夏タイヤ(ノーマルタイヤ)からスタッドレスタイヤに交換するユーザーは、交換と同時にタイヤの空気圧をチェックすることが多いのでOK。しかし、ノーマルタイヤのまま冬を越すというユーザーは、最高気温が20℃を下回るころに一度タイヤの空気圧をチェックしてほしい。
タイヤの空気圧は、温度が10度下がると10kPa下がると言われている。気温30度を超える夏に調整されたタイヤの空気圧は、秋から冬にかけて気温が下がっていくだけで、何もせずとも落ちていってしまうのだ。
秋から冬にかけても、気温は10度以上下がっていく。季節の変わり目では必ず、タイヤの空気圧をチェックしておこう。空気圧不足でのバーストやセパレーションは、寒くなればなるほど起こりやすくなっていく。
■暖房が効かない!凍える車内をにしないための冷却液チェック
エンジンルームを開けて、ピンクや水色の液体が溜まるタンクが目に付く。これが冷却水(クーラント)だ。冷却水が循環することでエンジンのオーバーヒートを防ぎ、錆を防ぐ効果を持つ。また、水よりも凝固点が低い(スーパLLC50%濃度で凝固点は約-36℃)冷却液は、凍結防止にも役に立っている。
また表題の暖房と冷却液の関係だが、エンジン内を循環して暖められた冷却液は、車内で暖房を使用するときの熱源にもなっているのだ。冷却液が古い、または液量が少ないことで、冷却液の循環が十分に行われないことが、エンジンのオーバーヒートのみならず、暖房の不調を生み出してしまう。
冷却液の交換はプロに任せるべきだが、日常的な点検は誰でもできる。ボンネットを開けて、冷却液の液量が基準内に収まっているのかは、常々目視で確認しておきたい。
■冬季は原液で使いたい!視界確保の大切なウォッシャー液
普段ウィンドウウォッシャー液は水道水を使用しているという人は、冬を迎える前に、洗浄効果のあるウォッシャー液に変えてほしい。
温かいエンジンルーム内にあるとはいえ、冬になるとウォッシャー液の温度も下がり、凍結してしまうことがある。ウォッシャータンク内での凍結は、タンクの破損や配管の損傷を引き起こすほか、必要な時にウィンドウウォッシャーが作動しないという運転時の危険な状態も生み出すのだ。
市販のウィンドウウォッシャー液には、希釈の目安が書いてあり、濃度が高いほど凍結しにくくなる。冬の間は、原液のまま使用できる商品を買い、薄めずにそのまま使って欲しい。
また融雪剤などの散布が頻繁に行われる冬場は、前を走るクルマが巻き上げた水にいろいろな物質が混ざっており、フロントガラスの汚れや油膜も気になる季節だ。洗浄効果の高いウィンドウウォッシャー液を使用することで、快適な視界確保にもつながっていく。
クルマには様々な液体や気体が使われており、そのほとんどで温度による変化が起こるものだ。ぜひ、季節に合わせた調整や点検・補充をしてほしい。冬に起こりえるトラブルを未然に防ぐことが、快適なウィンタードライブの第一歩となる。
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