もはや当たり前となっている、ドライバー自身が給油を行うセルフサービス式のガソリンスタンドだが、“慣れ”からくる事故も少なくないという。いま一度心しておきたいセルフ式ガソリンスタンドの正しい使い方とは?
文/井澤利昭、写真/写真AC
【画像ギャラリー】過信は禁物!! 給油時に気をつけたいこととは?(7枚)画像ギャラリー安さと利便性から割合を増しているセルフ式ガソリンスタンド
![ベテランドライバーこそ知っておくべし!! 間違えると大惨事になりかねない!! [ガソリンを入れる時]の注意点](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2025/04/04151602/23571415_m-600x408.jpg)
「レギュラー満タンで!」──昭和の時代、給油といえばガソリンスタンドのスタッフにお願いするのが当たり前であった。
その常識が大きく変わったのは平成に入ってから。
1998年(平成10年)に消防法の規制が緩和されたことで、それまでは国家資格である危険物取扱者乙4類所持者のみに許されていたガソリンの給油作業が、一定の条件を満たすことで一般のドライバーにも許されることになった。
こうして誕生したのが、今や一般的となっているセルフサービス式のガソリンスタンドだ。
セルフ式ガソリンスタンドの大きなメリットのひとつが、給油などに必要なスタッフの人件費を抑えられることで、ガソリン自体の価格を安く設定できること。
地域やそれぞれのスタンドによって事情は異なるものの、一般的なフルサービスのガソリンスタンドと比較して、セルフ式の方が1リッターあたり2~5円程度は価格が安いといわれている。
ガソリンスタンドの数は、人口の減少や燃費の向上、EVの普及などもあり、1994年のピークに減り続けているものの、セルフ式ガソリンスタンドはその登場以来年々数を増してきており、2023年度末にはガソリンスタンド全体の40%近くまで迫る普及率を誇っているという。
これには価格の安さに加え、無駄なサービスがない点や24時間営業が多いといったセルフならではのメリットがドライバーに受け入れられている点が大きい。
いっぽうで慢性的な人手不足という背景もあり、今後もセルフ式のガソリンスタンドの割合は増えていくことが考えられる。
【画像ギャラリー】過信は禁物!! 給油時に気をつけたいこととは?(7枚)画像ギャラリー知っておきたいガソリンの危険性
誰もが気軽に給油できるようになったセルフ式のガソリンスタンドではあるが、ガソリン自体が消防法上の「危険物」であることには変わりはなく、その取り扱いには十分な注意が必要とされる。
そのガソリンの性質のひとつとしてまず知っておきたいのが、揮発性の高さだ。
マイナス40℃の気温であっても気化するガソリンは、常温下においても常に可燃性をガスを常に発生させている状態にあるため、ちょっとした火種があるだけで、爆発的な燃焼を起こす可能性がある。
これはタバコなどの火の気はもちろん、冬場に起こりがちな静電気や、金属同士がぶつかった時に発生する火花などでも引火し、火災の原因となりうるということだ。
また、その保管にも十分な注意が必要。気化して膨張したガソリンの圧力に耐えるだけの強度がある専用の容器を使用することが消防法で定められており、灯油用のポリタンクなどでの保管は禁止されている。
さらに、皮膚や眼にかかると炎症などを起こしたり、飲み込んだり気化したガソリンを吸い込んだりすれば科学性の肺炎や、中枢神経への悪影響も考えられる。
ちなみにセルフ式のスタンドでは、クルマのタンク以外への給油は認められておらず、ガソリン専用の携行缶など法律で定められた運搬容器であっても、ドライバー自身がガソリンを入れることはできない。
ガソリン携行缶などに入れての購入は、スタンドスタッフによる本人確認や、ガソリンの使用目的などの申告が必要とされている。
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コメント
コメントの使い方セルフGSが普及するのは、人口減だからやむ負えないが、ノズルの方でもガソリンが溢れたら停まる機能だけでなくて、ノズルを操作しないで元の場所に戻さないときの警報音が出る仕組みを入れてほしい。というのは、1日に高齢女性が稚内でセルフGSで給油した後でノズルを給油口に刺したまま車を走らせて、給油の機械を壊したという事故があった。その対処も設置してほしい。