22.8%。80歳以上の人口のなかで運転免許証を持っている人の割合だ(令和4年/内閣府調べ)。「5人のひとり以上」の比率で運転免許証を所有していることになる。……実に高い。すべての人がハンドルを握るわけではないだろうが、認知症や体の機能低下により高齢ドライバーが起こす事故は後を絶たない。その対策として警察庁が義務化しているのが「認知機能検査」。筆者はこれを「75歳からの大きな壁」と言いたい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、AC
■75歳以上のドライバーは義務化となる「認知機能検査」
冒頭で挙げた80歳以上より年齢の低い、75歳がこの記事のキーワード。「75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故の割合が上昇し、その背景に認知症があることが少なくない」という現状を踏まえ、警察庁が実施しているのが運転免許更新時の「認知機能検査」。
75歳以上のドライバーは義務化となっている。
ちなみに、75~79歳の人口のなかで運転免許証を持っている人の割合。冒頭で挙げた80歳以上の22.8%よりさらに増え、なんと54.8%!! 半分以上だ。都市部で暮らす人にはピンとこないかもしれないが、地方部では生活するうえで「クルマは欠かせない」。
高齢者になっても運転免許証を手放せないのには、そのような生活環境が背景のひとつにある。
いっぽうで、認知症などが原因で交通事故を起こす可能性があることも否定できず、運転免許更新時の「認知機能検査」を実施しているわけだが……この受検内容が高齢者にとっては結構難しい。
61歳の筆者がやってみても、難しかったのだから(涙)。
■難しい検査内容。まさに「75歳からの大きな壁」じゃないですか!
これは難しい。まさに「75歳からの大きな壁じゃないか」と筆者は思った次第。
で、検査の出題内容。上で取りあげているのが「認知機能検査」とほぼ同じもので、この4枚のイラストを約1分で記憶するのが1セット。
その後、同様のことを3セット実施し、合計16枚のイラストを合計約4分間で記憶。出題は「その16枚、何が書いてありましたか?」。それに答えるという検査内容だ。
記憶力はもちろん、脳の柔軟性が問われる内容だ。
この記事を読まれている方、いかがだろうか? また、ご両親は解答できそうでしょうか!? 16枚のイラストを約4分間で記憶するのはなかなか難しい作業。では、「認知機能検査」をパスするためにはどうすればいいのか!?
日頃からの「脳の活性化」が最適と、脳神経内科専門医・塚本 浩先生は言う。
■脳神経内科専門医とベストカーが手を組んで誕生した一冊
現在、東京医科大学茨城医療センターで脳神経疾患の専門診療に携わりながら、認知症の早期発見や予防研究も行う、脳神経内科専門医・塚本 浩先生は「脳活ドリルは有効ですが、例えば2週間など一定期間に集中的に脳活するのも効果がありますね」と語る。
塚本 浩先生が監修した脳活ドリル、例えば上のような出題。〇のなかに「+、-、×、÷」を入れて計算式を成立させるというもの。全18問を13分で解く内容だが、できそうでしょうか!? ぜひチャレンジしてみてください!
さらに下にも脳活ドリルを紹介。
1番は電化製品、2番は台所用品。それぞれ「ペアにならないもの」がひとつだけあり、それを各3分で探すという出題。
「これは簡単でしょ!」と思うかもしれないが、意外とそうでなかったりする。こちらもぜひチャレンジしてみてください!
そんな脳活ドリルが全187問掲載されている『運転免許認知機能検査 完全攻略本』という本が発売されたばかり!
「認知機能検査」に合格するために、75歳以上の高齢ドライバーのみなさんを応援する一冊。今記事を読んでいるあなたはもちろん、これからも運転を続けたい(続けてほしい)お父さん、お母さんへのプレゼントとしても、最適な本といえる。
別冊ベストカー『運転免許認知機能検査 完全攻略本』
総合監修:塚本 浩(脳神経内科専門医)
定価:1320円(税込)
発売日:2024年6月20日
A4判/104ページ
ISBN:978-4-06-535658-6
講談社ビーシー/講談社
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