■トヨタは2025年、再び攻めの姿勢に転じる
4位以下も表のとおりです。
中国市場で存在感を失い始め、アジアにおいても中国車の脅威にさらされているのがホンダと日産です。
両社のアライアンスの成否は日本勢の国際競争力を左右すると筆者は捉えています。ところが、日産は業績が急激に悪化、大リストラを実施する事態となりました。日産経営の不安定さにホンダは同社とのアライアンスを慎重に考え始めているようです。
世界の自動車メーカーはEVシフト戦略の修正と構造改革を推進し始めています。そのなかで最も苦戦しているのがEVシフトに強く舵を切った米GMと独VWの2社です。両社はEV専用プラットフォーム、EV専用工場を立ち上げる専用投資で先駆けました。
一方、その反対がトヨタのマルチパスウェイ(全方位)プラットフォームです。ガソリン車のプラットフォームを汎用的に改良し、既存工場で柔軟に生産しようとするものです。
「専用」対「汎用」の戦いは、現時点で汎用戦略に軍配が上がっています。量がまとまらないのであれば、既存の部品や工場を活用しながら幅広いニーズに応えたほうが効率はいいわけです。
この結果、GM、VWでは大胆な事業構造改革を迫られ、一方、トヨタはマルチパスウェイへより傾倒を強めています。
トヨタの2025年はマルチパスウェイに基づくPHEV戦略を具体化させ、同時にソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)のバリューチェーンを成長戦略として掲げ、再び攻めの経営に転じていく公算大と見ています。
戦略発表の舞台は2025年初頭のラスベガスにおける「CES」となるでしょう。
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