子育てファミリーに便利なクルマとなると、最近はスライドドア搭載の車種が選ばれることが多い。確かにスライドドアの魅力は大きいが、ヒンジドアの車種でも使い勝手の良いものは多くあるのだ。同じようで意外と違うヒンジドア。子育てファミリーの味方になるヒンジドアは、どういう特徴を持っているのだろうか、その選び方や具体的な車種を紹介していこう。
文・佐々木 亘/写真・トヨタ、スバル、スズキ
【画像ギャラリー】これが使い勝手抜群のヒンジドアです! 非スライドドアでもファミリーカーとして使えるクルマ4選(23枚)画像ギャラリー■第1チェックポイント「ドアの大きさとカタチ」
チャイルドシートを装着するのは後席だ。だからこそ、後席シートへのアクセスが、子育てカーのカギを握る。乗り降りのしやすさにも直結するドアの開けやすさや開口部の広さを確認したいが、千差万別で比較するのも難しいと思う。
そこでやってほしいのが、ドアの大きさと形状をチェックする方法だ。
その方法はいたって簡単。まずリアタイヤの位置に立つ。その位置からドアハンドルに手を伸ばして、リアドアがスムーズに開閉できるかどうかを見るだけだ。
ドアが大きく、開口部が広い車種は一見使いやすそうに見えるのだが、乗り込む際の一連の動作で、開けたドアが体に引っ掛かることが多い。一度体を捻ってドアを避け乗り込む必要がでてくるので、スムーズな乗降とは言い難くなる。ボディスタイルがカッコいいくるまほど、リアドアが長くなる傾向にあり、開閉時に体に当たることが多い。
このチェックをクリアできるクルマは、ヒンジドアを全開にできなくても、チャイルドシートへの子供の乗せ降ろしがしやすい。片腕に子供を抱えたままのドア開閉もスムーズに行えるはずだ。
チェックを楽々クリアしてくるクルマは、カローラツーリングやレヴォーグといったステーションワゴンたち。同じカローラシリーズでも、カローラスポーツは少し厳しい。コンパクトカーでも、アクアやクロスビーなどはOKだが、ヤリスやフィットはドアの先端が体にぶつかるだろう。
チェックを通るかどうかは、体形や腕の長さにもよると思うので、クルマ選びの際は、リアタイヤの位置に立ってのドアの開け閉めを実践してみてほしい。
【画像ギャラリー】これが使い勝手抜群のヒンジドアです! 非スライドドアでもファミリーカーとして使えるクルマ4選(23枚)画像ギャラリー■ドアハンドルは「上から握れるもの」を選べ!
ドア開口部に次いで意外と重要なのが、ドアハンドルのカタチや位置だ。子供を抱っこした状態での使用を考えると、ドアハンドルは上から握り込むものが一番使いやすい。
最近は、ほとんどのクルマがグリップタイプを採用している。この形が一番開けやすく、操作もしやすい。伝統的なフラップタイプのドアハンドルは、かなり使いにくくなるので、避けた方が無難だ。
また、ドアハンドルをCピラーに埋め込むようなクルマもできれば避けてほしい。最近ではプリウスやヴェゼルで採用されているドアハンドルだ。子供を抱っこした状態では、超開けにくいドアになってしまう。スイフトは現行型でグリップタイプに戻ったが、先代と先々代はCピラー内にドアハンドルがあるので注意だ。
あとはドアハンドルが、各々に握りやすい高さにあるクルマを選んでほしい。基準は、腰よりも少し上の位置でドアハンドルを上から握りこめるかどうか。それぞれの身長によって高さに差異があるので、低めが好きならセダンやステーションワゴン、コンパクトがおススメ。逆に高い位置が良いなら、SUVやクロスオーバーモデルを選ぶと良いだろう。
子育ての味方になるヒンジドアの選び方は簡単だ。試乗せずとも、展示車両で試すことができる。これで、ファミリーカーの選択肢はかなり広がるし、中にはスライドドアよりも使いやすいと感じるヒンジドアの車種も出てくると思う。
自分の子育てにシンデレラフィットするドアを持つクルマに出会えたら、それはもう、運命の出会いと呼べるはずだ。
【画像ギャラリー】これが使い勝手抜群のヒンジドアです! 非スライドドアでもファミリーカーとして使えるクルマ4選(23枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方そんなことを気にした事もなかったです、ありがとうございます!
そう言えば、いつも思うのですが、自動車メーカーはなんで子育て世代、もっと言うと後席の工夫ができないのだろうか不思議。あとは自分のnoteにアイディア綴ります。
チャイルドシートへのアクセス性は絶対条件、前提なので大事なのは次です。
子ども達自身の為と、自分で育児するにも家族の手を借りる場合も、ミニバン&プチバンの機能と入口低さ&天高さとおもてなし配置は「ある方が確実に良い」のです。
なので、別の選択も完全に良いのですが、そのぶん車と別ジャンルでも全然いいので、挽回できる理由が求められるのが、現代の家族ですね