2024年10月21日、ホンダは電気自動車のゲームチェンジャーとなり得る革新的技術「全固体電池」の量産に向けた試作を開始すると発表。ホンダの全固体電池の開発はどこまで進んでいるのか?
※本稿は2024年12月のものです
文:大音安弘/写真:ホンダ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年1月26日号
航続距離は2倍以上にアップ!
スピーディな電動化シフトを掲げるホンダ。その最重要課題として位置付けるのが、車載用全固体電池の実用化だ。
高エネルギー密度と高い安全性の特徴から次世代EV用電池の本命と目されている全固体電池。トヨタや日産と同様に、ホンダも量産化の早期実現に向けて、2025年1月よりパイロットラインを稼働。2020年代後半の搭載車の投入を目指す。
ホンダの全固体電池の目標性能は、航続距離で既存の液体リチウムイオン電池と比べ、2020年後半で2倍。さらに2040年代までには、2.5倍以上を目指すというから凄い。
つまり、現状の駆動用車載電池と同等の航続距離なら、2020年後半の目標値でも、サイズを50%、重量を35%、コスト25%減少できるという。さらにEV最大の課題である充電時間を大幅短縮できる点も大きな強みで、数分で80%以上の充電ができる超急速充電も夢ではないという。
その製造には、ホンダが独自に取り組んできた太陽電池や燃料電池の開発体制と量産体制で得た知見も活用され、車載用仕様と製造プロセスの開発を同時進行させることで、早期実用化に自信を伺わせる。
まさに理想的な車載電池となる存在だが、各社ともに液体リチウムイオン電池の性能も磨きつつ、並行して使うことを想定している。その住み分けが、どのようなユーザーメリットを生むのかも注目される。ただし大容量電池を積むBEVでこそメリットが生じるので、HVへの採用はないようだ。
【画像ギャラリー】全固体電池パイロットライン稼働予定のホンダがラインナップする軽商用EVバン・ホンダ N-VAN e:(16枚)画像ギャラリートヨタ・日産は2027~2028年頃に次世代EVに搭載か?
全固体電池の実用化に向け、各社の動きが活発化。トヨタは、2026年からの自社で製造を開始し、2027年から2028年の搭載車の投入を目指す。
日産も2025年3月よりパイロットラインの本格始動を行い、2028年度の搭載車の投入を掲げている。世界初となるのは誰だ?
【画像ギャラリー】全固体電池パイロットライン稼働予定のホンダがラインナップする軽商用EVバン・ホンダ N-VAN e:(16枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方