中国のEV大手BYDが、内燃機関車ファンを驚かせるニュースを発表しました。スバルやポルシェの象徴ともいえる「水平対向エンジン」をBYDが独自に開発! なぜ今BYDが水平対向エンジンを開発したのか? その狙いはなにか解説していきます。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、BYD
【画像ギャラリー】これがBYD仰望の水平対向エンジンか! 効率を求めた設計が実に興味深い……!! エレガントな内装もスゴイ!!(7枚)画像ギャラリーなぜ今、EVメーカーが水平対向エンジン? BYDの狙いとは
水平対向エンジン(ボクサーエンジン)は、スバルとポルシェを象徴するエンジン。左右にピストンが向かい合って水平に動作する構造で、振動が少なく重心が低いのが特徴です。
エンジンが低く構えられることで、走行安定性が増し、スポーツカーからSUVまで幅広く活用されてきました。特にスバルのインプレッサやレヴォーグ、WRX S4に搭載されている水平対向4気筒エンジン、そしてポルシェの911には水平対向6気筒エンジンを搭載しているのはご存じのとおり。この2社は水平対向エンジンなしでは語れません。
ただし、構造が複雑で製造コストが高く、整備性に難があるというデメリットも。現在では水平対向エンジンを採用しているメーカーはごく一部に限られます。
そんななか、EVの代名詞とも言える中国BYDが、このエンジンを新開発したというのです。
BYDが発表したのは、BYD傘下の高級車ブランド「仰望(ヤンワン)」の新型セダン「U7」に採用する2L直噴ターボ水平対向エンジンを搭載したハイブリッド車向けエンジン。
eアクスルの上に水平対向4気筒エンジンを重ねた二段重ねの弁当のような構造となっており、全高は従来の2Lエンジンに比べて約22cm低い、約73cmとなる。セダンのU7に搭載することで、低重心化と空気抵抗の低減に寄与するという。
同社はこのエンジンを、自社のプラグインハイブリッド技術「DM(Dual Mode)」に搭載予定。要するに、EV技術と内燃機関の“いいとこ取り”を狙った戦略です。
熱効率の高さは、燃費性能と環境性能を両立するための鍵。EV一本足打法ではなく、多様なパワートレーンを揃えることで、グローバル市場での選択肢を広げようという意図が見て取れます。
スバルやポルシェと何が違う? BYD版ボクサーの技術的特徴とは
BYDの水平対向エンジンは、純粋な走行性能追求型ではなく、効率性とハイブリッドシステムとの親和性に重きを置いています。
・熱効率重視:ポルシェのような高回転・高出力型とは異なり、あくまで燃焼効率最優先
・ターボとの最適化:低回転域でも最大トルクを発揮する設計
・ハイブリッド専用設計:EVモーターとの統合を前提とした構造で、エンジン単体での駆動は補助的役割
スバルのボクサーは、全車四駆&水平対向によるドライビングプレジャー重視。ポルシェは後輪駆動スポーツカーにおけるエモーショナルな加速とレスポンスが命。一方、BYDはこの構造を「効率のための最適解」として、実用的に進化させたのです。
日本市場への展開は? 水平対向エンジンを搭載したBYD車に期待
現時点でこの新エンジンを搭載した車両の日本導入計画は発表されていませんが、BYDはすでに日本市場で「ドルフィン」「アット3」などを展開中。
今後、ハイブリッド市場への参入や、新たなパワートレーン搭載モデルの投入があれば、日本のクルマ好きにとっては注目せざるを得ない存在になるでしょう。
とりわけ、「エンジン好きだけどEVにも関心あり」という中高年層にとって、BYDの水平対向ハイブリッドは大きな魅力となりそうです。
コメント
コメントの使い方BMWも二気筒のボクサーツインを単車で使ッてるンだけど
重心高そう