タイ開催の2大モーターショーのひとつであるモーターエキスポが、2024年11月28日~12月10日の日程で、首都バンコクにて開催された。2024年の最大の特徴は、出展メーカーの半数にものぼる中華系メーカーの拡大にあった。
※本稿は2024年12月のものです
文、写真:大音安弘
初出:『ベストカー』2025年1月26日号
日本車の勢いがなくなった!?
日本車の巨大市場のひとつであるタイ。新車販売では日本車が上位を占めるが、ショーでは中国車の存在感が増している。何しろ約40の出品ブランドのうち、半数が中国車ブランドで、今回新たに9つの新興EVブランドが加わった。
中国車の動向として、タイでニーズが高いピックアップトラックや、アルファード人気にあやかろうと高級ミニバンが増えた。
会場での新車予約では、EVが約四割にも上ったことに驚愕。販促の優遇対策も効いただろうが、EV検討者が増えているのは確かだ。新車予約の1位こそトヨタだが、2位はBYDだ。
対する日本車は、新車投入が少なく、勢いもない。ぜひ各社共に奮起し、日本車大国を死守して欲しい。
【画像ギャラリー】日本メーカーも元気出して!! 中国勢が存在感を増したタイのモーターエキスポ2024の出展車たち(16枚)画像ギャラリーZEEKER 009
中国ジーリー傘下の高級EVメーカーの大型ミニバン。450kW/693Nmの2モーター4WD車。
116kWhバッテリーを搭載し、航続距離は686km(NEDC)。装備もエアサスやヤマハ製30スピーカーなど超豪華。価格は309.9万バーツ。
【画像ギャラリー】日本メーカーも元気出して!! 中国勢が存在感を増したタイのモーターエキスポ2024の出展車たち(16枚)画像ギャラリーDENZA D9
BYDの高級車ブランドがタイ進出。その第一弾はJMS2023にも登場した大型ミニバンD9だ。
1モーターのFFと2モーターのAWDをEVのみ。FF車の性能が230kW/360Nmで、航続距離600km(NEDC)。価格は199.99万バーツから。
【画像ギャラリー】日本メーカーも元気出して!! 中国勢が存在感を増したタイのモーターエキスポ2024の出展車たち(16枚)画像ギャラリーBYD SEALION 6 DM-I
日本よりEVが充実するタイに、PHEVを初投入。全長4.7mのミッドサイズSUVで、1.5LエンジンとモーターのFF車。
走行状況によりモーター、ハイブリッド、エンジンを使い分け、高効率を謡う。価格99.99万バーツから。
【画像ギャラリー】日本メーカーも元気出して!! 中国勢が存在感を増したタイのモーターエキスポ2024の出展車たち(16枚)画像ギャラリーXPENG X9
VWが大型出資したことで注目された中国EVメーカー「シャオペン」の大型高級ミニバン。
新プラットフォームを採用した最新作で、エアサスや4輪操舵機能を備える。2025年春の納車予定で価格は279万バーツから。
【画像ギャラリー】日本メーカーも元気出して!! 中国勢が存在感を増したタイのモーターエキスポ2024の出展車たち(16枚)画像ギャラリーBYD SHARK 6
ピックアップトラック王国への導入を目論み、参考出品。豪州仕様と思われる右ハンドル車を持ち込んだ点に本気を感じる。
1.5LのPHEVの4WDだが、高い悪路走破性と上級SUV並みの豪華装備を誇る。
【画像ギャラリー】日本メーカーも元気出して!! 中国勢が存在感を増したタイのモーターエキスポ2024の出展車たち(16枚)画像ギャラリーPOCCO MM
中国、朋克汽車の超小型EVで、現地の会社が輸入販売を行う。全長3mの4人乗りの3ドアハッチ。
駆動用電池容量9.2kWhで航続距離116km。最高速100km/hとなる。価格は29.9万バーツと安さが売りだが、市場の反応は薄め。
【画像ギャラリー】日本メーカーも元気出して!! 中国勢が存在感を増したタイのモーターエキスポ2024の出展車たち(16枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方日本でのBEVユーザーの利便性は、圧倒的大多数である賢明なICEオーナーが支えている状態。
それが無く、国策でEVゴリ推した中国で、一般人もタクシー等運転手も輸送業種も、どれだけ苦しんでいるか。
BEVは少数だから成り立つ。数多く売れたら、売れた分だけ苦しむ未来とセット。そういう事実と知識を前提に記事は書くべきです