【エスティマ、フォレスター…】SUV&ミニバン 時代の礎を築いた功労車たち

偉大な功労ミニバン【1】「驚異的だった初代オデッセイのバランス」

初代オデッセイ(1994-1999)/いわずと知れた乗用ミニバンのパイオニアであり、ホンダの救世主となった

 3列シートのミニバンというジャンルは1980年代に誕生したが、3列目の広さは1ボックスワゴンに遠く及ばなかった。

 今につながるミニバンが登場するのは平成になってからである。北米市場を見据え、トヨタはエスティマを、マツダはV6エンジンを積むMPVを送り込んだ。

 MPVはワゴン的で快適だったが、ブームにはならなかった。ミニバンの魅力をわかりやすく伝え、人々に目を向けさせたのは、1994年に誕生したホンダの初代オデッセイである。

 アコードのメカを用いたヒンジ式ドアのミニバンで、ワゴンのように安心感のある走りを売りにした。ハンドリングと乗り心地のバランスは、当時としては驚異のレベル。

 また、快適なキャビンと多彩なシートアレンジもチャームポイントだ。アウトドアレジャーが楽しい。だからオデッセイは3ナンバー乗用車の販売トップになり、ミニバンの代表になっている。

 エスティマが切り開いたスライドドアのプレミアムミニバン市場を不動のポジションに押し上げた功労車が日産のエルグランドだ。

 押しの強いアメ車的なフロントマスクときらびやかなキャビンを定着させた。走りのメカに関しても積極的に新しい提案を打ち出し、成功している。エスティマと違う日産流の豪華さと走りのよさでミニバン市場に風穴を開けたのだ。

【片岡英明氏が選ぶベスト3】

・トヨタ 初代エスティマ
・ホンダ 初代オデッセイ
・日産 初代エルグランド

偉大な功労ミニバン【2】「新時代の乗用車と認識させた初代エスティマ」

初代エスティマ(1990-2000)/ミニバンの地位を確変させた画期的なモデル。2019年でエスティマは消滅するが、そのコンセプトは現代のミニバンに多大な影響を及ぼした

 3列シートの乗用車は、クラウンやセドリックのワゴン、初代ハイエースワゴンなどが1960年代に普及していた。しかし、今に通じるミニバンの発祥は、1982年登場の初代プレーリーや1983年の初代シャリオだ。

 そして、ミニバンを新時代の乗用車と認識させたのは、1990年に発売された初代エスティマであった。

 卵型の3ナンバーボディは斬新で、2.4Lエンジンを前席の下に75度傾けて搭載した。内装は上質で、価格は最も安いグレードでも300万円弱だから、クラウン「2・0ロイヤルサルーン」と同等であった。
 
 初代エスティマが定着した1992年には、5ナンバーサイズのエスティマルシーダ&エミーナを加えた。「X」などはリアサスペンションを車軸式に簡素化して、価格を200万円前後に抑えた。

 憧れのエスティマが100万円安く買えるとあって好調に売れた。この戦略は見事のひと言。

 1996年にはミドルサイズのタウンエースノア&ライトエースノアも登場する。全高が1900mmを超えるボディで車内は広く、エスティマルシーダ&エミーナよりも実用的で価格は安い。ファミリーユーザーを中心に好調に売れた。

 三菱からはデリカスペースギア、これも功労車だ。4WDモデルの最低地上高は195㎜で、今のデリカD:5が備えない副変速機も装着。悪路走破力を一層高めていた。ミニバンなのにこの強み。その個性も今のミニバンを支えている。

【片岡英明氏が選ぶベスト3】

・トヨタ 初代エスティマ
・トヨタ 初代タウンエースノア
・三菱 デリカスペースギア

【画像ギャラリー】初代RAV4、エルグランドなど全ての功労SUV&ミニバンを見る

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