スポーツモデルのイメージは、ズバリ「カッコ良くて速い!」。しかし、車種やグレードによっては「見た目は速そうだけど実際の性能は……」といった、ちょっと悲しいモデルもある。そこで今回は、見た目と性能が不釣り合いな車種やグレードを紹介しよう。
文/木内一行、写真/トヨタ、日産、三菱、CarsWp.com
【画像ギャラリー】若干虚弱でもかっこいい!! やっばりクルマは見た目です(17枚)画像ギャラリー■「力強さとは無縁だけど気分はハチロク!」トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(E8#)
FRレイアウトの軽量コンパクトなボディに軽快な4A-Gエンジンを搭載し、ビギナーからマニアまで走りが楽しめるAE86レビン/トレノ。ハチロクの愛称で親しまれ、今でもその人気は健在だ。
そんなハチロクに対するように、ハチゴーと呼ばれているのがAE85。1.5ℓSOHCの3A-U搭載車の総称で、エンジン以外では足まわりやブレーキの仕様が異なり、グレードにもよるが内外装にもそれ相応の違いがある。
とはいえ、軽量コンパクトのFRという根底に変わりはないので、パワーさえ気にしなければハチロク的な気分だって味わえる。
外観の違いだってホイールを交換すれば気にならないレベルだし、装備が簡素化された3ドアGTVや2ドアGTと比べたら気づかないほど。
また、後期になるとさらにハチロクとの差が小さくなる。3ドアSRは、リアスポやスポーツシートなどが付くスポーツパッケージが選択可能になったため、内外装ともよりハチロクに近づけることができたのだ。
たしかに、3A-Uは実用エンジンだから、4A-Gのような軽快な吹け上がりや力強さとは無縁。しかし、ハチロクの雰囲気を味わうことは可能なのである。
【画像ギャラリー】若干虚弱でもかっこいい!! やっばりクルマは見た目です(17枚)画像ギャラリー■「足元を見なければタイプMと変わらないのに…」日産・スカイライン(R32)
R32スカイラインといえばどうしてもGT-Rに注目が集まるが、基準車だってあなどれない。
特にタイプMと呼ばれるターボモデルは、パワフルなエンジンと高バランスのシャシーによる走りが高く評価されてきた。
ただ、ターボモデルにはちょっと残念なグレードがあった、それがGTS-tである。「タイプMじゃなくて?」と思う人も少なくないだろう。そう、前期にはタイプMではない、“素”のGTS-tが存在したのだ。
タイプMとの大きな違いはブレーキで、アルミ製対向キャリパーではなく、通常の片押しタイプを装着。それに伴いホイールも15インチ。室内にも変更点があり、ステアリング形状が異なる。
とはいえ、違いはほぼこれだけで、ハイキャスだってビスカスLSDだって付いている。当時はホイールやステアリングを交換するのが常だったし、ブレーキだってガンガン走る人でなければ問題ないレベル。
これで10万円前後安価(クーペとセダンで異なる)なのだから、こちらを選ぶ人がいたことにも納得。
ただし、ブレーキを見られるとどうしても引け目を感じてしまうとか。
【画像ギャラリー】若干虚弱でもかっこいい!! やっばりクルマは見た目です(17枚)画像ギャラリー■「自然吸気SOHCでしかもMTのグランツなんてアリ!?」日産・セドリック/グロリア(Y31)
最高級サルーンながらスポーティなテイストを盛り込み、セドグロに新たな風を吹き込んだグランツーリスモ。Y31で初めて設定され瞬く間にヒットモデルとなったが、そのグランツーリスモにはいくつかのグレードが存在した。
まずはグランツーリスモSV。2リッターV6DOHCターボのVG20DETを搭載し、充実装備の最上級グレードだ。その下に位置するのが、パワーシートやオートエアコンなどの上級装備が省かれたグランツーリスモ。
そして、あまり知られていないのがV20Eグランツーリスモ。これは、グランツーリスモシリーズのベーシックモデル的な存在で、その名の通り2リッターV6SOHCのV20Eを搭載。そのため、パワフルさはまったく期待できない。
一応、シリーズ共通のスポーティサス仕様だが、見た目はスポーティだけど走りは普通のセドグロと大きく変わらないのだ。
こう聞くと残念なグレードに感じられるが、大きな魅力がひとつある。それが、5MT車が設定されていたこと。ターボはATのみだが、V20EはMTが選べたのである。
とはいえ、MT車に乗りたいのなら他の車種を選ぶ人が大半だと思うが……。
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コメント
コメントの使い方32スカイラインを出すのなら、狼の皮を被った羊と言われたGxiじゃね?