■必ずしも1人のCEが一台の開発を最初から最後まで担うワケではない
一般的なイメージでは、ある新型車の開発において、任命されたCEは開発プロジェクトの立ち上がりから完成、すなわち発表、市販開始までを一貫して担当していると思われるはず。
まあ、実際多くの場合そのとおりなのだが、なにぶん自動車会社は大企業で人員もたくさんいる。当然、CEだって人事異動もあれば、昇進などで立場が変わることもある。途中でCEが別の担当に引き継がれるということもけっして珍しくはない。
例えばR33スカイラインのチーフエンジニアといえば渡邉衡三氏ということで有名だが、実際に渡邉氏が開発主査としてとりまとめに当たったのは、開発開始前の1年ほどだったという。8代目R32型の伊藤修令氏の時代、実験主担として開発に関わった渡邉氏だが、R33の企画スタート時には別のCEが担当。
その当時実験主管だった渡邉氏がR33のCEとして担当に就いたのは1992年のことだったので、発表1年8カ月前のこと。当然基本骨格はでき上がっていて、渡邉氏が手を入れることができたのは、細部の仕上げだけだったという。
こういうことが、けっして特別に珍しいことではないのが自動車メーカーの開発の現場なのである。でも、これってちょっと意外じゃありません!?
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
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